今年は全国的に猛暑が続き、農作物、酪農・畜産への影響もありましたがオホーツク地方はいかがだったでしょうか。
9月20日から26日は動物愛護週間です。動物愛護週間は終わりましたが、今年もオホーツク総合振興局 オホーツク獣医師会、北見市獣医師会、北見市犬猫愛護協議会 非営利型一般社団法人アニウェル北海道の共催で市民公開講座を行います。今回のテーマは「人とペットの防災について考える」です。元旦に能登半島地震が発生し、8月には南海トラフ地震臨時情報が初めて発表されました。秋になってからも毎週のように防災に関する案内が届いています。今年ほど防災対策について各種セミナー、シュミレーション、訓練などが行われた年はないかと思います。ペットの防災に関しては北海道で2000年の有珠山噴火と2018年の胆振東部地震を思い出します。特に2000年の有珠山噴火に関しては噴火当日から北海道獣医師会は動物救護センター立ち上げの準備をし、札幌、胆振の獣医師が事務局を運営し、獣医師だけでなく、動物病院スタッフ、全国から集まったボランティア、専門学校の生徒さんたちとセンターの運営を約半年にわたりしてきました。オホーツク管内からも現地に来られてました。その後、北海道獣医師会は全道の市町村会と災害時の動物救援について協定を結びました。そしてまだ記憶に新しい胆振東部地震では、自治体も参加した中でいち早く救護センターの立ち上げ、預かり、ボランティア活動が行われました。私も200リットルの水を車に積んで救護センターへ向かったのを思い出します。実に多くの方々が携わり救護、治療、馴化、譲渡が行われ、元の飼い主さんへ戻ったり、新しい飼い主さんの家で幸せに過ごしているかと思います。いくつかのNPO法人も一緒に活動をしてきましたがそのパワーは想像以上で、一連の保護活動はNPO法人が参加しなければ成し得なかったと切に思います。
比較的災害が少ないと言われているオホーツク地方ですが油断は禁物。一緒に学んで心構えと備えはしておきましょう。今回市民公開講座では3名のパネリストにご講演をしていただきます。お一人目は北見市防災危機管理課の方から「災害発生 まずは人命!そしてペットの同行避難」について。各家庭にバザードマップは届いているかと思いますが、改めて生活している地域の危険性の把握や避難所の確認、災害発生時の初期行動、ペットの同行避難する場合の注意点についてのお話をしていただきます。お二人目は4月にできた北海道立動物愛護センターの所長さんにお越しいただき「北海道動物愛護センターが考えるペットの防災対策」について。過去の災害時の動物救護活動、災害発生時の動物愛護センターの対応についてお話しいただきます。三人目は災害支援動物危機管理士®、防災士でもある愛玩動物看護師に「ペットの防災 日頃からの備えと行動」について。いつ起こるかわからない自然災害。日頃の生活の中で飼い主とペットとの絆がとても大切になります。安全基地である家庭をいかに築き、しつけをはじめ、移動する際に必要な首輪、リード、キャリーに入ることに慣れておくことも大切です。ペットも不安がいっぱいなので日頃から褒めることは安心に繋がっていきます。そして備蓄しておく品々についてもお話しいただけるかと思います。
10月6日(日)北見市民会館小ホール
13:30〜16:00 参加費は無料です。
皆様のお越しをお待ちしています。今回はコラムというより宣伝となりましたことお許しください。
■著者 アース動物病院 院長 上田 広之 氏