ペット医療コラム

【vol.99】医学の象徴「蛇杖」について

新年明けましておめでとうございます。 今年も人と動物の絆が育まれますよう、お祈りいたします。 今冬は年前からの大雪、節電要請と、寒い北海道に暮らす私たちにとっては辛い冬になっていますが、少し工夫をして乗り切りましょう。 それにしても元気な動物たちは寒さ知らず。一緒に楽しめたらいいですね。
平成25年は巳年です。十二支の6番目にあたります。 巳年は動物にあてはめるとヘビになり、巳年をヘビ年とも言います。 ヘビは私自身はちょっと苦手な動物ですが、出身地の鳥取ではよく見かける身近な存在でもあります。 今回はこのヘビについてのお話を書かせていただきます。 「巳」という字は、胎児を表す象形文字で、ヘビが冬眠から覚めて地上にはい出す姿を表し、「起こる、始まる、定まる」などの意味があると言われています。 祀り(まつり)事や祭祀に「巳」という字が入っているのは自然界の神の代表が「巳(ヘビ)」だったためで、古来より信仰の対象とされてきました。 また、ヘビは脱皮をすることから「復活と再生」を連想させ、餌を食べなくても長生きすることから「神の使い」とも崇められています。
WHO(世界保健機構)、各医師会、救急隊、一部の地方獣医師会のシンボルマークにヘビが巻き付いた杖「蛇杖」が使われているのをご存知でしょうか? 蛇杖は医学を象徴するもので、杖は旅行者の使う杖、蛇は知恵を表すと言われ、ギリシャ神話に登場するアスクレピオス(医学神)に由来してます。 アスクレピオスは森の中で犬とヘビによって取り上げられて生まれ、羊に育てられ、森の中では木の実や草を食べて育ちました。 そんな経験からその薬効を知ることとなります。 そしていつも犬を連れ、ヘビを巻き付けた杖をもち歩いていました。 この2頭に何かしらの知恵を授かったのでしょう。 その後、病気の診断・薬学・外科学などを習得したと言い伝えられています。
日本でもギリシャでも、ヘビは古来から「復活・再生・治癒」をもたらすようですね。 巳年の今年は、犬とヘビ(?)に囲まれて、皆さんも知恵を絞って、病んでいる日本が少しでも元気になるよう行動していきましょう。
昨年も書いたような気がしますが、竜頭蛇尾にならないよう今年もいろんなことをお伝えできればと思います。 乱筆乱文ですがお付き合いお願いします。ありがとうございました。

  2013/01/28   gracom
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