ペット医療コラム

【vol.101】ペットの耳を覗いてみてください~3・3 耳の日~

3月に入り、少しずつ春らしさを感じるようになりました。 春は人の出入りが多い時期でもあります。 新しい出会いを楽しみにしていきたいと思います。 そして、あの3/11から2年が経ちます。 まだまだ復興復旧の道半ばですが、決して忘れないようそれぞれの立場で考え、行動して行きましょう。 今回は耳のことを書きたいと思います。 50年ほど前に3月3日は耳の日に制定されました。 3という事が耳の形に似ていることと、「み(3)み(3)」の語呂合わせからです。
犬の可聴域は40~65000ヘルツと言われています。 ヒトは20~20000ヘルツなので、ヒトの聞こえない高音域まで聞くことができます。 犬が高い音に対して敏感な聴力を持っているということは、獲物や敵の居場所を察知するには役に立ちますが、掃除機やドライヤーなどの電動工具などの出す高い音に対して、ヒトより強く不快感を感じてしまう原因にもなっているようです。
犬が頚をかしげたり、耳介(耳のひらひら部分)をいろんな方向に、それも片方ずつ動かしているのを見ることがあると思います。 これは正確に音源を探ろうとする仕草です。これも野生の頃の重要な能力です。 このような能力もあり、犬はヒトの4倍の聴力を獲得しました。 また、犬の聞き取り方には特徴があり、母音は聞き取れますが、子音の聞き取りは苦手です。 例えば「さんぽ」も「あんこ」も「あんお」と聞こえるそうです。 「こんなことしちゃーだめでしょ」は「おんあおおいいぁーあええいぉ」としか聞こえない? ダイレクトに伝えるためには、短い音節ではっきりと「だめ!」や「ノー」と犬が聞き取りやすい言葉をつかうと良いでしょう。 犬に付ける名前も「ジョン」や「ピッピ」「タロ」などシンプルな名前をつけた方が聞き取りやすいでしょう。
さて、少し病気の話もします。 犬の聴力が落ちる原因として、加齢によるもの、遺伝が関連するもの(白黒のブチを持つ犬の何割かは聴覚障害を持つというデータあり)、感染症などです。 感染症の犬は毎日のように外来に訪れます。 多くは外耳炎です。細菌・酵母菌・ダニが原因となります。 これらは耳垢が溜まってきますし、悪臭を発しますから飼主さんは気づかれると思います。 放っておきますと潰瘍・糜爛・免疫の過剰反応により耳の穴が塞がってしまうことがあります。 場合によっては外科手術が必要になります。 耳の手術はとても痛い部類に入りますので避けたいところです。
耳穴チェックとお手入れが大切になります。 是非とも覗いて見てください。 3月だけでなく日頃からやってあげて下さいよ。

  2013/03/28   gracom
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