ペット医療コラム

【vol.47】ヒューマンアニマルボンドとは~人と伴侶動物との「絆」~

5月になり、北見にも桜が咲く時期が来ました。今年はどこで花見をしようかな。  単なるペットとして飼われていた時代から、伴侶動物として、人間の生活の中では家族同様の存在となってきたペットたち(コンパニオンアニマルとも言われるようになってきました)。  この流れは社会が動物の重要性と価値を認めるようになってきたり、人との長いパートナーとしての歴史の中で、その習慣や行動、共通感染症が十分調べられていて、安全であり、安心して人間の良き仲間、家族、伴侶として共に暮らすようになってきたからできたのでしょう。
ここ数年、私たちが関わっている伴侶動物医療界では二つの考え方が浸透しつつあります。カタカナが多くて分かりづらいかもしれませんがお許しを。  一つは「ヒューマンアニマルボンド」。人間とコンパニオンアニマルとの「絆」という意味ですが、その「絆」が人間社会および動物の双方にもたらす影響や意義を含めています。人は身近に愛するものがいるという価値を再認識し、寂しさや孤独感を軽減するだけでなく、動物が友人や親戚との付き合いに良い効果をもたらします。  散歩で動物を連れている人に話しかけたい、この人に優しくしたいといった本来の自然な気持ちが引き出させてくれたりします。  また、子どもの脳の発育効果。小さなもの、かわいいものに対するふれあい・思いやりの気持ちを育てる効果もあります。
医学的効果もあるようです。心拍数・血圧の安定、適度な運動の促進、副交感神経の刺激(やすらぐ、安心感、疼痛緩和など)などに効果があるという報告があります。  そして動物も人との「絆」が形成されると、心拍数・血圧の安定がもたらされます。このようにヒューマンアニマルボンドとは人と動物双方の教育、福祉、医療に関わる重大な問題で、有効に作用することで、人も動物も幸せな生活が保証されるというものです。
人間社会では、動物介在活動AAA、動物介在療法AAT、動物介在教育AAEなどはすでにこの管内でも行われていますし、その効果も確認されています。  また、動物のためのヒューマンアニマルボンドという活動はまだ不十分です。これから動物の福祉、医療、教育についても考えたいと思っていますが、まだまだこれからだと思います。  今回は行がもうなくなりました。すみません、もう一つは次回にしましょう。

  2008/05/28   gracom
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