予防医学コラム

いちご状血管腫(乳児血管腫)

いちご状血管腫は、乳児で最も頻度の高い良性腫瘍です。血管の内皮細胞が異常に増殖してしまうもので、血管がある場所ならどこにでも生じます。赤く盛り上がって表面に凹凸があり、野苺のように見えます。 出産直後にはみられなかったものが生後間もなく発生し、急速に大きくなります。1~2週間で赤く盛り上がっていき、生後6ヶ月から1年で最大に達します。その後は全例が徐々に縮小してゆっくり色が落ちていき、多くの場合は小学校低学年くらいまでの間にほとんどわからなくなります。しかし小さくなっても細かい血管が浮き出たり、ブヨブヨした弛み・膨らみが残ったり、瘢痕を残すことがあります。 また、耳・鼻・口に生じたものは潰瘍となったり、皮膚欠損となることがあります。上まぶたに生じたものは目を開けなくなるため、視力の発達が障害されます。また、大きなものは場所により例えば気道閉塞や摂食障害をきたすことがあります。 基本的には経過観察のみでよくなりますが、以上のような場合や、出血や潰瘍を伴っている場合、場所が整容面や機能面で問題となる場合などは、早期の治療介入が必要になります。 内服治療や色素レーザー治療を行ったり、縮小後に瘢痕が整容的に問題になる場合は、瘢痕形成術などの外科的加療を行うことがあります。

 

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