これまで何度か、当院の在宅訪問診療を受けるためにはどうしたらよいか、という電話での問い合わせを頂いたことがあります。基本的に在宅医療の保険適応としては、車椅子などでも通院できない通院困難な方や、難病や悪性腫瘍で病状が不安定な方となっています。そのため当院では基本的に介護度3以上、難病や悪性腫瘍で病状が不安定な方で、当院には入院施設がないため、入院は希望されず最期まで自宅で過ごされたい方を対象とさせて頂いております。また在宅医療は、医師による訪問診療で診察や薬の処方、必要時に検査などを行いますが、それ以上に重要なのが訪問看護であるため、訪問看護ステーションの導入を必須とさせて頂いております。在宅医療では、自宅での患者さんの生活を支えるための様々な看護が必要です。食事や着替え、入浴、整容など日常生活では様々なサポートが必要となります。そのため訪問看護師が、その患者さんが少しでも快適に自宅での生活が送れるように、ケアマネージャーと相談しながら、介護ベッドや手すりの設置、車椅子のレンタル、訪問入浴の導入、自宅改修の検討などを行ってくれます。また同時に介護をされるご家族に、様々な介護の仕方を教えてくれます。おむつの交換やベッド上の体位変換の仕方、ベッドから車椅子の移乗のサポートの仕方、食事介助や入浴介助、整容と着替えのサポートの仕方など多岐にわたって介護するご家族は学ぶことが多くあります。そして在宅医療で最も重要であり、絶対に必要なものは家族の介護です。家族の介護なくして在宅医療は成立しません。当院で在宅医療を行う対象患者さんは、基本的には自分であまり身のまわりのことをできない方が多いです。そのため基本的に何かあった際に常にサポートが必要なため、ちょっと買い物に行くくらいの時間以外は、誰かが見守ってあげる必要があります。在宅医療を希望されるご家族には、主介護者の他に一人以上の介護か見守りができるご家族がいるかを確認させて頂いております。介護するご家族が一人だけだと休む時間がほとんどなく、そのご家族が体調を崩してしまいます。そのご家族が体調を崩されると、患者さんは入院か施設入所が必要となってしまいます。また主介護者の介護疲れなども大丈夫かを確認しながら在宅医療を行っていきますが、もし主介護者が何らかの理由である程度の期間介護ができない状態となった際には、他の病院に一定期間入院を依頼するレスパイト入院という制度もあります。
以上のようなことを、在宅医療をご希望される際の参考として頂ければと思います。
