今回は弱視の原因と種類についてお話しさせていただきます。
弱視は「視力の発達が障害されておきた低視力」を指し、眼鏡などをかけても視力が十分でない場合のことで、眼鏡をかけてもよく見えない状態を「弱視」と呼びます。主に4つの原因があります。
弱視は除外診断と呼ばれ、他に目の病気がなにもないと確認することが重要です。そのため、しっかり検査できる年齢になるまで、本当に弱視と判断することは難しく、視力検査だけで弱視と判断するわけではありません。屈折検査や斜視検査、眼底検査などを総合的に判断して、弱視になる可能性が非常に高いと判断すると、予防的に治療を開始します。
視力の成長は、他の成長と同じくいつかは止まり、臨界期(感受性期=8~10歳頃まで)を過ぎると治療に反応しにくくなります。早期に治療を開始するほど、治療に反応して視力が改善していきます。
治療の目標は眼鏡をかけて1.0の視力が出ることです。視力は1.0が正常値で、それ以上いくらあっても正常です。ピントがあっている状態で視力が出ることが重要で、眼鏡をかけて1.0あれば正常です。裸眼視力がいくら悪くても、眼にあった眼鏡をかけた状態で1.0の視力が出れば弱視ではありません。
【屈折異常弱視(くっせついじょうじゃくし)】
屈折異常弱視とは、遠視・近視・乱視が両眼とも強いためにおこる、両眼の視力障害です。いちばん多い原因は遠視です。程度が強ければ近視や乱視でも屈折異常弱視を発症しますが、遠視は近くでも遠くでもピントが合わない状態なので、眼鏡をかけない限り、くっきりとものを見ることができません。生まれつきいつもはっきりものが見えていない状態でいると、視力が成長しにくくなります。それに対して近視では遠くが見えにくいですが、近くのものはピントが合うため、弱視にはなりにくいです。ただし極端に近視が強いと弱視になります。
【不同視弱視(ふどうしじゃくし)】
不同視弱視とは、遠視・近視・乱視に左右差が強いためにおこる、片眼の視力障害です。
片目の視力は正常に発達しているため、生活上に不自由はなく、周囲からは全く判りません。片眼性の弱視であるため、屈折異常の弱い眼の視力は良好であり、片眼ずつの視力検査や屈折検査で発見します。
屈折異常とは遠視、近視、乱視を意味します。両眼の度数の差が大きければこのいずれでも不同視弱視を発症しますが、いちばん多いのは遠視です。度数の差は、2D (ジオプター)以上あると不同視弱視になる可能性が高まります。遠視は近くでも遠くでもピントが合わない状態なので、眼鏡をかけない限り、くっきりとしたものを見ることが出来ません。そのため、生まれつきはっきりものがみえないため、視力が成長しにくくなります。それに対して近視では遠くは遠視側の目で、近くは近視側の目で見るため、不同視弱視にはなりにくいです。ただし極端に近視が強いと弱視になります。
【斜視弱視(しゃしじゃくし)】
斜視弱視とは、斜視があるためにおこる片眼の視力成長障害です。斜視は右眼と左眼の視線が違う場所に向かっている状態です。斜視弱視は片眼性の弱視であるため、斜視のない眼の視力は良好であり、斜視がある方の眼の視力が不良となります。片眼ずつの視力検査や屈折検査で発見します。
斜視があると網膜の中心部分(中心窩)で物を見ていない状態のため、斜視がある方の眼の視力が発達せず弱視になります。
【形態覚遮断弱視(けいたいかくしゃだんじゃくし)】
形態覚遮断弱視とは、乳幼児期に形態覚を遮断することによって、非可逆的視力低下をきたしたものです。
先天白内障、眼窩腫瘍、眼瞼腫瘍、角膜混濁、高度の眼瞼下垂、眼帯装用などのために、片方の目を使わない期間があることが原因です。視力の成長している時期の子どもは絶対に眼帯を使用してはいけません。
多くの弱視は見た目ではわからず、健診で要精密検査となって眼科を受診して初めて発見されることが多いです。3歳児健診や就学前健診、学校検診などで要精密検査となった場合は眼科の受診をお勧めします。
お話:医療法人 白羽会「オホーツク眼科」主任視能訓練士 田平 健資 氏


