【1】薬剤について 国内で5〜11歳への接種が承認されているワクチンは、現時点ではファイザー社製のみです。このワクチンは12歳以上の人の接種するワクチンと比べ含有されるmRNA量が1/3の製剤で、一回接種量も0.2㎖と少なくなっています。 【2】有効性について 海外では5〜11歳の小児に対するワクチンの予防効果は当初90%以上と報告されていました。しかしオミクロン株に変わってからの発症予防効果は51%と低下していますが、入院予防効果は68%と報告されています。その後、オミクロン株流行期における5〜11歳の小児のワクチン有効性について世界各国から報告が相次ぎ、それまでと同様の発症予防効果と重症化予防効果が確認されています。またワクチン接種によって、COVID-19の重症合併症の一つである小児多系統炎症性症候群の発症を90%防げることもわかっています。 【3】安全性について 国内では、2022年6月12日までに5〜11歳の小児に246万4、581回ワクチンが接種され、医療機関から副反応疑いとして報告されたのが、1回目は0.004%(62件)、2回目は0.003%(38件)と12歳以上よりも低い頻度でした。報告された心筋炎疑い例は6件で、2回接種後100万回接種当たり2.6件と、米国男児の報告と変わりありませんでした。副反応の詳細を調査した岡山県でも、小児は成人より接種後早期の副反応が軽くなっています(表)。当院でも5〜11歳の小児のコロナワクチン接種で副反応で問題となるケースはなく、副反応も軽微であり安全に接種できるものと考えています。