実は私は、日本禁煙学会から禁煙専門指導者という認定を受けています。約4年半前に禁煙補助治療薬であるチャンピックスが突然出荷停止となり、その間禁煙治療の休止を余儀なくされていました。しかしようやくこの薬の出荷が再開されるとのことで、当院でも禁煙治療を再開します!
加熱式たばこを含み喫煙は、あらゆるがんの誘因となっていることが知られています。まず喫煙による害ですが、タバコを1本吸うとどれくらい寿命が縮むか皆さんご存知ですか?ある文献によると、統計学的には1本吸うと寿命が5~20分縮むといわれています。1日20本吸う方は1日で約2時間縮みます。また喫煙者は非喫煙者に比べて8~10年寿命が短くなると言われています。皆さんもご存知の通り、受動喫煙といってタバコを吸う人の傍にいても害があります。喫煙は百害あって一利なしといわれる様に、様々ながんを発生させる誘因であると同時に、心筋梗塞や肺気腫、気管支喘息などの命に関わるような病気の誘因にもなります。喫煙されている方も身体に悪いのはわかっているのに、ではどうして喫煙をやめられないのでしょう?それはタバコの成分のニコチンが身体にとって依存性があるからです。最近テレビなどでよく麻薬の依存性について報道されていますが、ニコチンも麻薬に引けをとらないくらいの依存性があるといわれています。すなわちニコチン中毒の状態であるため、ニコチンがきれるとニコチンが欲しくなってまたタバコを吸ってしまうわけです。喫煙している方がなかなか禁煙できないのは意志が弱いからではなく、ニコチン依存症という病気だからなのです。このような喫煙のメカニズムがわかってきたため、いろいろな禁煙治療補助薬というものも出てきています。中でも私がお勧めなのは、身体の中にニコチンが入ってきても脳に快感を与えないようにブロックするチャンピックスという薬です。この薬は、最初の時期にはタバコを吸いながらでも治療ができ、そのうちタバコを吸ってもおいしくないと思い始めるので自然に喫煙をやめられ、禁煙による体重の増加もある程度抑えてくれます。この薬を使っての禁煙治療は約3ヶ月のプログラムで、外来で行うことができ、保険診療の対象である方は禁煙外来を行っている病院であれば、自己負担額合計約2万円(自己負担額が3割の方の場合)で治療が受けられます。高いように思われるかもしれませんが、例えば1日タバコを1箱吸う方であれば約1か月分のタバコ代です。何よりタバコが原因で病気になってしまったら治療費でもっとお金はかかりますし、場合によっては働けなくなり収入が減ってしまいます。今後更にタバコ税も上がると思いますので、喫煙されている方は自分自身の身体と、一緒に生活している家族の健康のためにも禁煙をお勧めします。
