今回は補中益気湯(ホチュウエッキトウ)についてお話します。
効能又は効果は、「消化機能が衰え、四肢倦怠感著しい虚弱体質者の次の諸症…夏やせ、病後の体力増強、結核症、食欲不振、胃下垂、感冒、痔、脱肛、子宮下垂、陰萎、半身不随、多汗症」です。
本剤の重大な副作用には、間質性肺炎、偽アルドステロン症、ミオパチー、肝機能障害、黄疸がございますのでご注意下さい。
補中益気湯の使用目標は「比較的体力の低下した人が、全身倦怠感、食欲不振などを訴える場合に用いる。」で、「①虚弱体質、結核症などの慢性疾患で上記症状を呈する場合。②術後、病後、産後、高齢者の虚弱(フレイル)などで衰弱している場合。③咳嗽、微熱、盗汗、動悸などを伴う場合。」に使用するとされています。
こちらが補中益気湯の構成生薬と薬能です。補中益気とは、漢方で言う『脾胃』を指す「中」を補って気を益すという意味で、低下した消化吸収機能を改善し、元気を益す薬効のあることから名付けられました。10種類の構成生薬のうち、主薬はオウギです。オウギは代表的な補気薬で、元気のもととなる気(き)を補います。体表を強くすることで気が漏れ出ないようにする、自汗や盗汗(寝汗)を止める薬能があります。ニンジン・カンゾウ・ショウキョウ・ソウジュツ・チンピ・タイソウは気を補い、胃腸機能を高めます。サイコ・ショウマは気を持ち上げ活力や緊張を回復する升堤(しょうてい)の薬能が、トウキには身体に栄養や潤いをもたらす血(けつ)を補い巡らせる薬能があります。
関連する製品としては十全大補湯(ジュウゼンダイホトウ):病後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血。
人参養栄湯(ニンジンヨウエイトウ)…病後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血。
清暑益気湯(セイショエッキトウ)…暑気あたり、暑さによる食欲不振・下痢・全身倦怠、夏やせ。 などがあります。
漢方は体質・体系などによって利きも変わりますので、一般的な西洋薬の様なものと比べて使い方が違うのでお医者さんや薬剤師によく聞いて処方又は購入してください。