予防医学コラム

『狭心症の治療法』とは

今回は、狭心症の治療についてのお話しです。
狭心症の治療には、『薬物治療』、『冠動脈カテーテル手術(ステント留置術等)』、『外科的冠動脈バイパス術』の3つがあります。
まずは冠動脈が狭窄(細くなっている)しているか、閉塞(つまっている)しているかを調べるために、心電図、心臓超音波検査だけではなく、冠動脈CTA検査を行います。冠動脈に狭窄が見つかれば、抗血小板剤(血液サラサラ)、冠動脈拡張剤(ニトロ製剤)、脂質低下薬剤等の薬物治療を開始します。冠動脈が75%狭窄以下でしたら、薬物治療の継続で経過を見ていきます。75%狭窄以上なら運動負荷心電図(当院ではトレッドミル運動負荷)を行った上で、カテーテル検査を行います。90%狭窄以上の高度狭窄の場合は、早急にカテーテル検査の上、ステント留置術を行います。高度狭窄が多数あったり、複雑な狭窄の場合など、カテーテル治療では危険を伴う場合には、外科的に冠動脈バイパス術を選択する場合があります。
私が行うカテーテル治療は、できるだけ手首の細い血管からのアプローチで体の負担が少なく済む方法で行います。もちろん局所麻酔ですので、意識は普通にあります。術後は手首をバンドでの止血になりますので、長時間の安静も不要で、術後すぐに歩行も可能です。そのため当院では日帰りでのカテーテル手術を行っております。手術時間は約30分から40分です。
以前ではバイパス手術を選択していたような高度で複雑な治療も熟練したカテーテル医により治療が可能となっておりますので、治療法に不安を感じられた方はいつでも御相談ください。
次回は『細くなった血管』をどのように拡げるのか、図解と一緒に説明したいと思います。

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