予防医学コラム

心臓血管系のお話し

今回は、血管のお話しをしたいと思います。
前回、心臓の役割をお話ししましたが、その心臓から送り出される血液が流れる血管についてのお話しです。 人間の血管には動脈(心臓から全身へ)、静脈(全身から心臓へ)と毛細血管があります。動脈は全長約10万㎞と推測されており、地球2周半の長さになります。最も太い大動脈は約3㎝の太さがあり、その中を血液は1秒間に約1メートルの速さで流れていきます。この大動脈の役割は心臓から送り出された血液を毛細血管を通じて全身の細胞組織に届けることです。そして酸素や栄養素が送り届けられます。毛細血管は静脈へとつながり、心臓へ帰っていきます。
次は、動脈と静脈の見分け方についてです。体の表面に浮き出ている青い血管が静脈です。病院で採血や点滴を行うのが静脈です。また表面からは見えない深いところで拍動しているのが、動脈です。ですので浅い切り傷で大量出血しないのはその為です。  ただ一番浅い動脈で触れやすいは手首の動脈ですので、一度皆様も脈をとる習慣をつけてはいかがでしょうか。ちなみに私がカテーテル検査や治療を行うときに刺すのが、手首の動脈です。
触った感じはいかがでしたか?
拍動していて、弾力があったと思います。動脈は、『内膜』、『中膜』、『外膜』の3層構造になっていて、バームクーヘンのような造りになっています。そのため心臓から送り出される『血圧』という圧力がかかっても簡単には破れない構造になっています。
この強く弾力のある動脈が硬くなるのが、『動脈硬化』です。次回は皆様が最も興味のある『動脈硬化』についてお話ししたいと思います。

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