予防医学コラム

コンパートメント症候群

 筋肉は筋膜というしっかりとした膜で囲まれており、いくつかの筋肉ごとに区画に分かれています。その区画のことをコンパートメントといいます。骨折や打撲などの外傷が原因で組織が腫れてコンパートメントの内圧が上昇すると、コンパートメント内にある筋肉、血管、神経などが圧迫され、循環不全のために筋肉の壊死や神経の障害が起きます。これをコンパートメント症候群と言います。
多くの筋肉が存在する腕や足で起きやすく、骨折や打撲などの急性のものだけでなく、ランニングなどの運動による慢性型もあります。
急性型は、激しい痛み、しびれ、動かせない、色が悪くなる、脈が触れない、などの症状がでます。圧を逃すために早急に筋膜を切開することが必要になります。期を逃すと筋肉や神経の壊死、血液の灌流障害により、麻痺、感覚障害、拘縮などが残ったり、最悪の場合は切断を要する場合があります。アイシング、圧迫、挙上などは血の巡りをさらに悪くする原因となるのでしてはいけません。
小児の上腕骨顆上骨折(肘)、脛骨骨折(すね)によって起こることが多いですが、骨折がない場合や、血液サラサラのお薬を飲んでいる方も、注意が必要です。
慢性型は若いアスリートや軍人に多く、上肢の場合はバイクレーサー、ウエイトリフティング選手などにみられます。運動後に痛みやしびれ・腫れが一定時間続きますが、安静時に症状はありません。運動後にアイシング、ストレッチ、アイスマッサージなどで炎症症状、緊張を緩和させますが、症状が変わらない場合は手術を筋膜切開を検討します。

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