予防医学コラム

頭のゆがみ

頭のゆがみの原因は、外的要因による位置的頭蓋変形症と、頭蓋骨早期癒合症のような病的変形に分けられます。 ⚫︎位置的頭蓋変形症 赤ちゃんの頭はやわらかいため、外の環境により頭の形が簡単に変わってしまいます。子宮内の環境や、難産や吸引分娩などの分娩時の環境、向き癖などによって同じ場所に圧迫がかかることによって変形をきたします。多くは後頭部の変形です。(筆者はいつもポニーテールにしていた後頭部の一部に凹みがあります。) だっこ、就寝時の頭の向きをクッションなどで工夫することで矯正することができます。自宅での矯正が困難で、変形が重症化してくる場合は、ヘルメット矯正治療を検討します。 ⚫︎頭蓋骨早期癒合症 人の頭蓋骨はいくつかの骨に分かれており、それぞれの骨のつなぎ目を頭蓋縫合といいます。乳児期は、脳の急速な成長に合わせて頭蓋骨も成長できるように縫合が完全に閉じておらず、生後18ヶ月頃までに癒合していきます。 頭蓋骨縫合早期癒合症では、頭蓋縫合の一部もしくは複数が何らかの原因で本来よりも早く癒合してしまう病気です。頭の成長が妨げられてしまうため、 放置すると頭の変形だけではなく、脳の正常な発達が障害される可能性があるため手術が必要となります。 世界各地の古代文明では人為的に頭蓋変形を行う風習がありました。細長い頭は美しさの基準であり、高い地位の象徴であったそうです。乳児期に頭を紐で縛ったり木の板で挟んだりして、圧力をかけて徐々に頭を変形させていきます。このような風習はアフリカなど一部地域で現在も行われているそうです

 

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