予防医学コラム

多指症・合指症・多合指症

「多指症」とは、正常より指の数が多い状態です。
「合指症」とは、隣接する指同士がくっついている状態です。
「多合指症」とは、指が多いうえにくっついている状態です。
手足の先天的な病気の中で最も多く、余剰な指が完全な指の形をしているものや、小さなイボのように突出しているもの、指のくっつき具合など様々なタイプがあります。
一般的には1歳頃に手術が行われます。単に余剰な指を切除したり分離すればよいのではなく、動きも見た目も健常な指に近いものを作る手術です。指の発育度や骨の並び方を考慮しながら、筋肉を移し替えたり、骨を切って軸の調整を行ったりします。成長に伴い指や爪に変形を生じる場合があるため、追加の修正手術が必要になる場合があります。
豊臣秀吉は親指が1本多かったと言われています。海外では「多指は幸せをもたらす神様からの授かりもの」と信じられていたり、手術費用が払えないなどの理由で手術を行わないこともあります。しかし、多くは人とは違う見た目に辛い思いをしたり、手を使う仕事では邪魔になったり、靴は特注品でなければ履けなかったりと、不便なことも多いようです。
しかし、人とは違う自分を「特別な存在」と捉え前向きに生きる人もいます。
ブラジルのある家族は、家族そ
ろって手の指が6本あり、サッカーのゴールキーパーになりたい息子は「指が多いからボールをつかみやすい」といいます。ギタリストや野球のピッチャーとして活躍している有名人もいます。インドのある男性は合計34本の指を持って生まれてきており、ギネス世界記録に認定されています。
最新の研究では、多指症の人は(タイプにもよりますが)脳の中の指の動きを司る部分がより発達しており、5本指の人と比べてさらに器用に指を操れることがわかっています。

 

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