尿酸値が高めの人は、汗をかきやすいこともリスクとなります。というのも尿酸は、汗からは排出されません。大汗をかいて尿の量が減ると、かえって尿酸の排出を妨げる結果になるからです。
実際にストレスを受けたり、疲れているときには、尿酸値が高くなります。血管を収縮させ、腎臓の働きを低下させるためと考えられています。
運動については、激しく動き回るスポーツ(サッカー、テニスなど)や筋肉運動(重量挙げ、筋力トレーニングなど)をすると、尿酸が増加します。こうした運動の場合は、こまめに水分を補給し、尿の排出を促すようにしましょう。 ただし、運動がいけないわけではなく、痛風の原因となる肥満予防のためには、有酸素運動(ウォーキング、軽めのジョギング、水中歩行、固定式自転車こぎなど)などを続けるとは効果があります。この場合にも水分補給は十分に行ってください。
家族との関係では、痛風そのものは遺伝しませんが、最近の遺伝子研究から痛風の発症にかかわる遺伝子が複数発見されていて、遺伝子による代謝異常がある人は、痛風や高尿酸血症になりやすいこともわかってきています。
遺伝子異常は自分ではわかりませんが、家族に痛風の人がいる場合には、体質や食生活が似ている可能性があるので、若いころから注意したほうがいいでしょう。
遺伝子異常による例としては「家族性若年性高尿酸血症腎症」があり、この場合、若いころから高尿酸血症になり、腎臓障害を起こしやすくなります。また男性だけでなく、女性でも発症します。
痛風と高尿酸血症は、食生活は特に大きなかかわりがあります。次の点について注意しましょう。
痛風はかつて「ぜいたく病」ともいわれたように、飽食の結果ともいえます。食事全体の量だけでなく、高カロリー・高脂肪食(肉類、レバー類、魚卵類など)をたくさん食べないことも大切です。アルコールも、栄養はあまりありませんが、カロリーはあるので、飲みすぎには十分な注意が必要です。
プリン体を多く含む食品は、続けて食べないことが大切です。とくに酒の肴になる、白子、アンコウの肝、干物類などには注意し、飲酒中でも野菜をたくさんとることを心がけてください(野菜は尿をアルカリ性にし、尿酸を溶けやすくします)。
プリン体は水溶性で、煮たりゆでたりすると水に溶け出すので、摂取量を減らすことができます。同じ食品でも、こうした料理法を心がけましょう。ただし、寒い時期に気を付けたいのは鍋物です。鍋物の煮汁には、いろいろな食品のプリン体が溶け出しています。最後に雑炊やおじやにして食べると、大量のプリン体をとることになります。尿酸値が高めの人は、特に気を付けましょう。