予防医学コラム

電撃傷

電撃傷は、電流が体内を通り抜けることによる損傷で、やけどの一種です。感電、落雷、電気スパーク、アークにより起こります。 配電盤工事などの労災事故がほとんどですが、凧や釣竿が送電線に接触して起こったりすることもあります。また水を介する事故も多く、海・川・浴室などで防水機能が十分でない電気機器の使用により受傷することがあります。家庭内では、コンセントにつながった状態の電気コードを乳幼児が口にくわえて受傷するものが多いです。 落雷によるものは雷撃症といいます。雷が直撃する場合と、側撃といって高い建物や木から近くのものに雷が飛び移る場合があります。側劇から身を守るには、図のように木の幹やどの枝からも2m以上離れ、姿勢を低く保つことだそうです。 電撃症には、電流そのものによる損傷、体内で電気が通ることによって発生した熱による損傷、アークやスパークによる損傷があります。通常のやけどとの違いは、体内に電気が通ることにより熱が発生し、からだの深い部分の組織(骨、筋肉、神経、血管、内臓など)にやけどが起こる点です。 皮膚表面だけの軽度な電撃症では一般のやけどとほぼ同じ 経過をたどりますが、体内の通電による損傷が著しい場合にはさまざまな障害が起こります。運動障害や知覚障害が現れたり、血管や筋肉の損傷が強ければ四肢の切断も考慮しなければならない場合があります。時間の経過とともに損傷が広がっていくこともあります。重症例では感電したその場で不整脈や呼吸停止により即死になることがあります。  一見浅いやけどのように見えても後に重症になることもあり全身管理が必要になります。必ず病院を受診してください。

 

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