予防医学コラム

爪の色素性病変

爪は皮膚の一部であり、皮膚の角質が変化して硬くなったものです。主にタンパク質の一種であるケラチンから構成されています。  爪の役割は指先を保護することや、物を掴みやすくすることです。足の爪は、安定して体を支え、歩く時に指先に力を入れる働きを担っています。  爪は通常は半透明であり、爪の下の組織の色を反映します。この部分は毛細血管が透けて見えるため、健康な人の爪は薄いピンク色をしていますが、様々な原因で爪の色が変わることがあります。
爪の変色で一番多いのは爪白癬、つまり水虫です。白色や黄色、灰色になり厚く、もろくなっていきます。皮膚の水虫と違って痒みなどはないですが、爪の変形のために靴が履けなくなるなどの支障をきたすことがあります。
続いて多い爪甲下血腫は、外傷により爪の下で出血した状態です。通常は数ヶ月かけて血液が吸収されて普通の色に戻っていきますが、慢性的に力がかかり続けることにより茶褐色の色が残ることがあります。
他にも、感染に続発する場合や、抗がん剤などによる薬剤性の色素沈着、遺伝や代謝性疾患、マニキュアなどの薬剤によるも のなど様々な原因があります。
注意が必要なのは、悪性黒色腫という皮膚癌です。これが爪やその周囲の組織に発生した場合、同部位から発生するホクロと見分けが非常に難しいことがあります。黒い部分が広がったり、色が濃くなってきたり、皮膚にも色がついてきたような場合は要注意です。早めに病院を受診しましょう。

 

 

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