予防医学コラム

舌小帯短縮症・上唇小帯短縮症

●舌小帯短縮症
舌小帯とは、舌の裏側にあるヒダのことをいいます。これが生まれつき短かったり、ヒダが舌の先端に近いところについていて舌の動きが悪いものを舌小帯短縮症といいます。
一般的には新生児期には太く短いですが、舌の発育とともに退縮し細くなります。
程度は様々ですが、舌の動きが制限されるため、乳児期にはミルクがうまく吸えないなど授乳がうまくできない場合があります。(哺乳改善目的に乳児期に手術を行うことの是非についてはいまだに意見が分かれているようです。)また、発音の際に舌がもつれたり、発音が不明瞭になり、特にサ音・タ音・ラ音などがはっきりしないことがあります。
軽度の場合は舌を上手に動かすトレーニングを行うだけで改善することもありますが、改善が難しい場合は手術を行います。

●上唇小帯短縮症
上唇小帯とは、上唇の裏側にあるヒダのことをいいます。これが短かったり歯茎の頂点まで伸びているものを上唇小帯短縮症といいます。
程度は様々ですが、上唇が歯茎に固定されているために哺乳が上手にできないことや、歯が生えてくると小帯に邪魔されて前歯がすきっ歯になったりします。また、歯磨きの際には歯ブラシが当たって傷を作りやすいため歯磨きが嫌いになったり、また磨き残しをしやすくなるため歯肉炎や虫歯になりやすいので注意が必要です。
上唇小帯は成長とともに形、大きさ、位置も変化していきます。2歳くらいまでは太くて目立ち前歯の間に割って入るように発達している場合が多く見られますが、通常は成長するにつれて徐々に目立たなくなってきます。改善がみられない場合は手術を行います。


 

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