予防医学コラム

高血圧について

 前回のコラムで北見市内の診療所が減少しているというコラムを書きました。そのため市民の皆さんは、まず病気にならないようにするということが大切です。そのため今回からしばらく各疾患についてのコラムを書きたいと思います。まず第一弾としては、高血圧についてお話ししたいと思います。
まず高血圧の診断基準は、診察室血圧が140/90以上、家庭内血圧135/85以上とする一方で、正常血圧は120/80未満と厳格化され、これ以上になったら早期の段階から、生活習慣修正の介入とその後の再評価が推奨されています。そのためこの正常血圧以上になったら、まずやるべきことは塩分の摂取制限です。外食やコンビニなどの食事には塩分が多く含まれているものが多いため、自炊などをお勧めしています。しかしどうしても難しいという方は、最近ではレストランやコンビニでも塩分がどれくらい含まれているかという表示がされていますので、1日6g未満を目標に食事を選択してください。また家庭においてもこの塩分制限を目標に、醬油やみそなどは減塩のものがありますので、今度買う際にはそちらに変更して頂いたり、漬物や干物、カップラーメンなどは塩分を多く含みますので、買わないようにして頂いた方が良いと思います。次に行うべきことは喫煙者の方の禁煙です。喫煙は血管を収縮させて血圧を上昇させますので、やめるべきです。さらに修正すべき生活習慣は、睡眠時間を十分とるということです。最近では寝る前に携帯電話で動画などを見る方が多いと思います。寝る前に携帯電話の光の刺激を受けると眠りにくくなりますので、横になったら携帯を見るのは避けましょう。
以上のような生活習慣の改善を行って、降圧目標である、合併症のない75歳未満の成人では130/80未満、75歳以上の方でも140/90未満、脳血管疾患と冠動脈疾患患者さんでは130/80未満をクリアできないようであれば、降圧剤の内服治療の開始が必要となります。内服薬の選択は医師にお任せ頂くとして、よく患者さんから「血圧の薬は、一度飲み始めたらやめられないの?」と質問されます。それに対して私は次のように答えています。「血圧の薬を飲み始めてからも、毎日1~2時間ウォーキングなどの運動をしっかり行い体重を減らして、塩分摂取も十分に気を付け、禁煙や睡眠を十分にする様にしたら血圧が下がりすぎて降圧薬を中止せざるを得なくなることがあります。しかしそのように努力される方は、100人に1人もいないかな。」
高血圧は万病の元ですので、自覚症状がないからといって軽視せずに、予防や治療を行いましょう!

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本間先生(内科)   2025/01/27   M I
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