今回は、弁膜症についてお話しします。
心臓にある弁(僧帽弁、大動脈弁、三尖弁、肺動脈弁)に異常があり、本来の血液逆流防止弁としての機能が低下した状態の総称です。
病気のメカニズム
心臓の弁は血液の流れに合わせて、閉じたり開いたりし、血液を効率よく循環させていますが、この弁の働きが損なわれるためです。
狭窄症と閉鎖不全症に大きく分かれます。狭窄症は、弁の開きが悪くなり血流の流れが妨げられます。また、閉鎖不全症は、弁の閉じ方が不完全なため血流が逆流することです。僧帽弁(左心室と左心房の間)と大動脈弁(左心室と大動脈の間)に多く、2つ以上の弁が同時に侵されることもあります。
主な原因としては、先天的な弁の変形、リウマチ熱(現在は減少傾向)、心筋梗塞、心筋症です。日本国内で約200万人が罹患しており、手術が必要な人は年間約1万人といわれています。
心臓弁膜症の症状
呼吸困難、息切れ
顔面や下肢のむくみ
体のだるさ、疲れやすさ
動悸
心臓弁膜症の種類
◯大動脈弁狭窄症
◯大動脈弁閉鎖不全症
◯僧帽弁狭窄症
◯僧帽弁閉鎖不全症
◯僧帽弁逸脱症
◯肺動脈弁狭窄症
◯肺動脈弁閉鎖不全症
◯三尖弁狭窄症
◯三尖弁閉鎖不全症
このようにたくさんの弁膜症がありますが、息切れ、だるさ、むくみがありましたら、まず循環器内科の受診をおすすめします。
次回は、『弁膜症の検査、治療』についてお話ししたいと思います。