今回は、不整脈の種類についてお話しします。
ほとんどの方は、病歴に『不整脈』と書かれても、その種類までは知らない事が多いです。まず、不整脈は大きく分けて3種類あります。『頻脈性不整脈(心拍が速い)』、『徐脈性不整脈(心拍が遅い)』、『期外収縮不整脈』です。4つ目は『致死性不整脈(心停止に至る)』ですが、外来ではお目にかかることはないので、省略します。
私は日々の外来で、患者さんに、不整脈の種類(病名)をメモして渡すように心がけています。
『頻脈性不整脈』
心拍が速い(100回/分以上)不整脈を頻脈性不整脈といいます。運動や興奮、発熱などで心拍が速くなる場合もありますが、病的な頻脈とは区別されます。病的な頻脈は、体が求めていないのに100回/分以上の脈を打つ場合をいいます。病的な頻脈は起こっている部位と心拍数によって10種類以上に分類されます。
『徐脈性不整脈』
心拍数が遅い(50回/分以下)不整脈を徐脈性不整脈といいます。一般の方(特にスポーツマン)でも脈が50回/分になることがありますが、病的な徐脈とは区別されます。病的な徐脈は健康な方と違って、運動時などで脈が速くならずしんどくなってしまい、ペースメーカーが必要になる場合もあります。
『期外収縮不整脈』
心拍が飛ぶ・抜ける不整脈を期外収縮不整脈といいます。正常な場合、心臓は洞房結節という部位からの電気信号で動いています。期外収縮の場合は洞房結節とは別の部位からの電気信号で心臓を余分に動かします。胸が苦しいなどの自覚症状がない場合でも、脈を取ると飛んだり抜けたりがわかります。
次回は、『不整脈のメカニズムと原因』についてお話ししたいと思います。