今回からは浄土真宗について、宗祖「親鸞(しんらん)」も含めて様々な角度から簡単にお話をしてみたいと思います。今回は「七高僧(しちこうそう)」についてです。
宗祖「親鸞」は、比叡山の修行のあとに「法然(ほうねん)」のもとでその教えに出会い、その後、絶対他力の念仏往生の信仰を確立し、阿弥陀如来の本願による衆生救済の普遍性を説いていきました。
「七高僧」とは、阿弥陀如来の教えをしっかりと伝えていただいた七人の高僧のことであり、その徳について親鸞は「正信偈(しょうしんげ)」の中で讃えています。
【第一祖】
「龍樹(りゅうじゅ)」…インドの僧で大乗仏教について多くの著書を残し、インドや中国及び日本においての多くの宗派において祖師として尊敬されている。
【第二祖】
「天親(てんじん)」…インドの僧で大乗仏教の唯識を学び各種経典の注釈書を著した。「浄土論(無量寿経の注釈書)」で浄土教の素晴らしさを述べています。
【第三祖】
「曇鸞(どんらん)」…中国の南北朝時代の僧で中国浄土教の開祖と言われています。天親の浄土論を注釈した「浄土論註」を著した。
【第四祖】
「導綽(どうしゃ)」…中国の唐時代の僧で「安楽集」を著した。
【第五祖】
「善導(ぜんどう)」…中国の僧で「称名念仏(しょうみょうねんぶつ)」(南無阿弥陀仏の名号を口に出して唱えること)を中心とした浄土思想を確立したと言われる。
【第六祖】
「源信(げんしん)」…平安時代中期の天台宗の僧。「往生要集(おうじょうようしゅう)」を著した。この著において往生するためには一心に念仏する以外に方法はないと説いている。
【第七祖】
「源空(げんくう)」…浄土宗の宗祖「法然」のこと。著書の「選択(せんちゃく)本願念仏集」においても「善導」が確立したとされる「称名念仏」つまり、南無阿弥陀仏を一心に唱えることが何よりも大切であると説いています。つづく
グラコム2010年4月号掲載