日本の宗教のいろは

神道について④

今回は参拝するときの作法について簡単にお話をいたします。
お正月には多くの方々が神社に参拝されることと存じます。皆様もよくご存じだと思いますが、その時の作法についておさらいしてみようと思います。
神社の入り口は鳥居であり、その先は神聖な場所です。まずは、鳥居で軽く一礼します。その後参道を歩いて拝殿に向かいますが、真ん中は神が通ると考えられているので参道は真ん中よりすこし端を歩くのが作法です。混雑していれば仕方のないことだとは思いますが、頭に入れておきましょう。本来は鳥居を入った後、手水舎(てみずや、ちょうずや)で身を清めてから進むのが作法ですが、北海道のお正月は寒さで使えませんからここは省略いたします。しかし、昔から神と向き合うときには「心身を清めること」が大切であると言われていますから、そのことはしっかりと覚えておきましょう。
拝殿の前では賽銭(さいせん)をした後、鈴を使うことができれば鈴を鳴らしておまいりします。賽銭は、古来神仏に捧げるお供物の一つでした。
以前は日本人の生活に欠かせない大切なお米を紙に包んで供えたことが多かったようですが、現在では金銭を供えることが一般的になり賽銭として定着しています。また、鈴には魔除けの霊力があるとか神の注意を引くとか様々ないわれがあるようです。
おまいりの際は「二拝二拍手一拝」の立礼が標準的な作法です。深くお辞儀を二回した後二回拍手をし(「かしわで」を打ち)、最後に一度お辞儀を行います。(ただし、神社によっては違うところもありますのでご注意ください。)「かしわで」を打つというのは柏(かしわ)の葉のように手の指を合わせて手を打つことからそのように言われます。神道は形式を重んじる宗教でもありますので作法は心を込めてしっかり行うことが大切です。
また、お正月には神棚、玄関等に注連縄(しめなわ)を飾る方も多いと思いますが、注連縄は神話にある、アマテラスが天の岩戸から出られたときに岩戸に縄を張り、再び中に入ることが出来ないようにした「尻久米縄(しりくめなわ)」が起源とされ、神の領域などの清浄で神聖な場所とそれ以外を仕切るものとして現在使われています。もちろんほとんどの神社で使われています。つづく
グラコム2009年1月号掲載

  2008/12/25   gracom
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