今回も曹洞宗の教えのつづきです。
曹洞宗の教えについて、曹洞宗宗憲では「本宗は、修証義(しゅしょうぎ)の四大綱領(こうりょう)に則り、禅戒一如(ぜんかいいちにょ)、修証不二(しゅしょうふに)の妙諦(みょうたい)を実践することを教義の大綱とする。」と書かれてあり、この『修証義』は、多くの人にその家庭生活の正しいあり方を示すために、明治時代に道元禅師がまとめられた全九十五巻からなる教えである『正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)』の中から編集して作られました。
ここで言う禅戒一如とは、坐禅の心構えや態度を日常生活に生かしていくことが大切で、修証義に示された「戒を実践すること」が、そのまま「坐禅の修行」と同じことになるという道理のことであります。
また修証不二とは、修証は一つのことで二つではないといっています。修証とは、修行と証悟(しょうご)(悟りを得ること)の二つの言葉からできているのですが、それは修行を積み、その結果として、悟ることが出来るからだと言われるのですがそうではなく、修行と悟りは同一のものであり、悟りをめざして修行をするのではなく、修行の姿そのものが悟りであるということ、つまり大切なことは、日常の正しい実践生活であり、ただひたすら教えに耳を傾けて修行することであるという道理のことであります。
また、修証義は五つの章からなり、第一章の総序(そうじょ)を除いた第二章から第五章までの四つである、懺悔滅罪(ざんげめつざい)・受戒入位(じゅかいにゅうい)・発願利生(ほつがんりしょう)・行持報恩(ぎょうじほうおん)を四大綱領と呼んでいるのです。
(筆者は、宗派の専門家とは言えませんので、詳しくは、菩提寺のご住職にお聞ください。素晴らしい人ばかりですので、わかりやすく教えてくださると思います。)
グラコム2007年4月号掲載