日本の宗教のいろは

曹洞宗の教えについて②

今回は曹洞宗の教えのつづきです。
曹洞宗は前回お話をしたように、道元により日本に伝えられた宗旨であります。道元禅師は南宋の時代に中国に渡り、天童山景徳寺の如浄(にょじょう)と出会い、その法をついで、日本に曹洞宗を伝えました。そして、その四代目の弟子にあたる瑩山(けいざん)禅師により全国に曹洞宗が広められていったのです。そのため、曹洞宗では道元と瑩山の二人を宗祖とし、道元を高祖(こうそ)、瑩山を太祖(たいそ)といいます。また、道元の開いた永平寺(福井県)と瑩山の開いた総持寺(当時は石川県、明治の焼失を機に現在は神奈川県)を二大本山と称している宗旨です。
曹洞宗は只管打坐(しかんたざ)(ただひたすらに坐禅すること)し、即心是仏(そくしんぜぶつ)(坐禅の心とその姿がそのまま仏となること)を得ることを伝えている宗派であります。
ただひたすら坐禅をするという曹洞宗の坐禅は「黙照禅(もくしょうぜん)」と言い、何も考えず身も心も自分自身のすべてでただひたすら坐禅をすること。そのときに悟りを求めることすら考えないでということです。
そのこと自体が、仏になり悟りとなるということを教えているのです。
また、前回お話した禅宗と呼ばれている中の一つにあげた臨済宗はこれに対して、坐禅に際して、それぞれ与えられた課題(公案)を塾考することによって悟りに近づこうとするものであります。また、僧堂で坐禅する場合に壁に向かって坐禅をする(面壁(めんぺき)という)のが曹洞宗です。
つまり曹洞宗は、禅の心に裏付けられた日常生活を送らなければならないという教えであるとも言えるのではないでしょうか。
(筆者は、宗派の専門家とは言えませんので、詳しくは、菩提寺のご住職にお聞ください。素晴らしい人ばかりですので、わかりやすく教えてくださると思います。)
グラコム2007年3月号掲載

  2007/02/24   gracom
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