日本の宗教のいろは

釈迦(しゃか)の教えの原点について③

前々回の「四諦(したい)」の実践方法として釈迦は「八正道」を説き、それらを日々実践することが、煩悩から逃れ、苦を滅する手段であると言ったのです。(つまり四諦の中の「道諦(どうたい)」のことでもあります。)八正道とは「正見(しょうけん)」「正思惟(しょうしゆい)」「正語(しょうご)」「正業(しょうごう)」「正命(しょうみょう)」「正精進(しょうしょうじん)」
「正念(しょうねん)」「正定(しょうじょう)」の八つの行いから成り、これらの意味を簡単に書き記すと、「正見(しょうけん)」とは、正しく物事を見ること。
この「正見」が八正道の基本であり、他の七つはどのようにすればこの「正見」に達することができるかを、さらに詳しく示したものである。
もう少し詳しく説明すれば「正見」は、この世の中の無常(この世の中の一切のものは永遠不滅のものはないということ。人生のはかなさ。)の事実を知り、物事の真実を積極的に追及することによって、欲望や執着によって心に感じることを価値のないものと、しりぞけることであると言えるでしょう。
「正思惟(しょうしゆい)」とは、正しく物事を考えること。
「正思惟(しょうしゆい)」とは、正しく物事を話す。簡単に言うと、自他共に喜ぶことができる言葉や優しい言葉で話すということです。
「正業(しょうごう)」とは、正しい行いをする、邪悪な行いをしないこと。
「正命(しょうみょう)」とは、正しい生き方をすること。
「正精進(しょうしょうじん)」とは、正しい努力をする。智慧を用いて理想を実現するための懸命な努力を怠らないこと。
「正念(しょうねん)」とは、正しい道を思い念ずること。
「正定(しょうじょう)」とは、心静かに精神を保ち、正しく心を整えること。
さて、皆様方はどのくらい実践できますか?なかなかできないことだと思いますが、人間、努力が大切ではないでしょうか。
グラコム2006年6月号掲載

  2006/05/23   gracom
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