それぞれの国には、国旗がありますよね。ある国語辞典では「その国を代表する旗」とあります。仏教にも同じようなものがあるのです。
今回はその旗についてお話をいたします。仏様の旗?とは、写真を見てもらうと分かるように五つの色で構成されています。
皆様も一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。この旗は仏教徒が仏教を開かれたお釈迦様の教えを守り、仏の道を歩んでいくときの大いなる旗印になるものとして、1950年の世界仏教徒会議で「国際仏旗」として採択され、日本でも、1954年の全日本仏教徒会議で決定しています。その仏旗は、六金色旗(ろっこんじきき)とも言われ、青・黄・赤・白・樺(かば)の五色(旗の左から)とその五色が混ざり合った色(旗の一番右)の六色でできています。
それぞれの色の意味は次のように表現されています。(財団法人全日本仏教徒の資料より抜粋)
青…仏様の髪の色で、心乱さず力強く生き抜く力「定根(じょうこん)」をあらわす。
黄…燐然と輝く仏様の身体で、豊かな姿で確固としたゆるぎない精神「金剛(こんごう)」をあらわす。
赤…仏様の情熱、ほとばしる血液の色でおおいなる慈悲の心で人々を救済することが止まることのない働き「精進(しょうじん)」をあらわす。
白…仏様の説教される歯の色で、清純なお心で諸々の悪業や煩悩の苦しみを清める「清浄(せいじょう)」をあらわす。
樺…仏様の聖なる体を包む袈裟(けさ)の色で、あらゆる侮辱や迫害、誘惑などによく耐えて、怒らぬ「忍辱(にんにく)」をあらわす。 ただし、解釈の仕方であるとか、意味については各宗派や各寺院により違いが多少ありますが、 仏教徒として信じる心をひとつの形として表した旗であることは間違いありません。
グラコム2006年3月号掲載