爽やかな北海道らしい季節になってきました。北見市内には特別養護老人ホームが9施設、地域密着型の特別養護老人ホームが4施設あります。そのうち、ユニット型特養が大半を占めています。では、ユニット型とは、どういうものでしょうか?
ユニット型特養とは、個別ケア(利用者一人ひとりの個性や生活のリズムを尊重したケア)を実現するための手法である「ユニットケア」を行っている特養のことです。
では、もっと詳しくユニットケアについてみてみましょう。 自分が高齢になり、何らかの理由で自宅に住み続けられなくなった時、皆さんは次の住まいや暮らしはどうありたいと思いますか?「今までと同じように…」きっと誰もが、そう望むでしょう。 ユニットケアが大切にしていることは、「介護が必要な状態になっても、ごく普通の生活を営むこと」です。
生活の基本行為としての起床、食事、入浴、就寝は、今までの暮らし方の継続を基本としながらサポートしていきます。そして、他の入居者とのおしゃべりや趣味の活動などの交流、地域の美容院に出かけることや家族とレストランへ食事に行くことなども大切にします。つまり、 その人のペースで暮らしが営まれることを支援していくのです。
ますます重度化していく高齢者施設利用者ですが、そのような方々でも、ごく普通の暮らしが送れるようにサポートしていきます。
ユニットケアは、それぞれの人が、それぞれに望んでいる暮らしをサポートする個別ケアの一つの方法です。それは、画一的な方法ではなく、暮らしと共に変化し、そして、進化していくものです。 普遍的なのは「高齢者の尊厳を保つ」こと、そのことのみです。
その人が今まで大事にしてきた暮らしにこだわり、生活習慣を大切にします。そして、たとえ寝たきり状態であっても、自分でできることや自分で決められることを見つけてあげ、サポートしていきます。ユニットという小さな単位であるからこそ、そのサインを的確に見つけられるのです。
「ユニットケア」の最大の特徴は、入居者個人のプライバシーが守られる「個室」と、他の入居者や介護スタッフと交流するための「居間」(共同生活室)があることです。入居者10人前後を一つの「ユニット」として位置づけ、各ユニットに固定配置された顔なじみの介護スタッフが、入居者の個性や生活リズムを尊重した暮らしをサポートします。
私たちの施設(特別養護老人ホームくつろぎユニット)も入居者がそれぞれの望んだ暮らしのサポートができるよう取り組みを始めた所もありますが、24時間介護士・看護師がおり、医療的処置が必要な方でもその人らしい暮らしが過ごす事ができるようスタッフ一丸となって取り組んでおります。
■お話 社会福祉法人治恵会 特別養護老人ホームくつろぎユニット 生活相談員 原 知子 氏