健康・福祉コラム

お酒に「適量」はない??

 以前は「お酒は適量であれば、健康に支障はない」と考えられていました。しかし、2024年2月に厚生労働省が公表した「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」では、生活習慣病のリスクを高める飲酒量として「1日あたりの純アルコール摂取量が男性40g以上、女性20g以上」と明記されています。これは、「適量の目安」ではなく、「これ以上飲酒量が増えると生活習慣病のリスクが高まる」という目安です。
年齢や性別、体質によってアルコールの影響には大きな差がありますが、少量の飲酒でも生活習慣病やがんなどのリスクになることが明らかになり、「定期的に飲むお酒の量は少なければ少ないほどよい」とされました。
みなさんは、普段からお酒を飲んでいますか? 
健康を維持しながら、長くお酒を楽しみたいのであれば、今よりも飲酒量を減らしておくほうが良いでしょう。お酒に含まれるアルコール量は種類や度数によっても違うので、純アルコール量(g)で飲酒量を把握します。
まずは、自分の飲酒状況(頻度や純アルコール量)を把握しましょう。
純アルコール量(g)
=お酒の量(mL)×アルコール濃度(%)×0.8(アルコールの比重)
〇お酒との付き合い方
⚪︎あらかじめ量を決めて飲酒する
→自分で飲む量を決めて飲むことが飲酒行動の改善につなが  ります。
⚪︎飲酒前、飲酒中に食事をとる
→血中アルコール濃度を上がりにくくさせます。
⚪︎飲酒の合間に水を飲む
→少しずつ飲酒をして、アルコールをゆっくり分解・吸収できる  ようにします。
⚪︎1週間のうち、飲まない日を設ける
→毎日飲酒を続けると、アルコール依存症を発症するリスクが  高まります。

〇こんな飲み方はやめましょう
⚪︎短時間に多量のお酒を飲む
⚪︎他人への飲酒の強要
⚪︎不安や不眠を解消するための飲酒
⚪︎病気など療養中の飲酒や服薬後の飲酒
⚪︎飲酒中または飲酒後の運動や入浴

最近では高アルコール度数のストロング系チューハイの販売は縮小されつつあり、ノンアルコール飲料の種類は豊富となってきているようです。
自分に合った飲酒量を決め、健康に配慮した飲酒を心がけましょう。

kenko2503

お話 北見市保健福祉部健康推進課 水戸部 春菜 氏

  2025/02/22   M I
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