健康・福祉コラム

野菜と冬を越える

本格的な冬が始まりあたり一面を雪が覆うなか、いかがお過ごしですか。
北海道の冬といえば「雪」!雪像やかまくら、スキーやスノーボードなど北海道の冬には欠かせない雪ですが、実は野菜を美味しくするのにも大活躍します。
越冬野菜をご存じですか?越冬野菜とは、初冬に収穫した土つきの野菜を土の中や雪の中、地下室などで保存した野菜のことを言います。代表的な野菜には、キャベツや白菜、ほうれん草、大根などがあります。でもなぜ気温がマイナスになる冬でも凍らずに保存することができるのでしょうか。実は野菜が凍らず、おいしくなるのには秘密があります。
なぜ野菜は凍らないのか?
野菜は冷凍庫に入れると凍ってしまいます。冬の北海道は冷凍庫と変わらないくらい寒くなるのに、なぜ凍らないのでしょう。理由は主に2つあります。
①雪の中は意外と暖かい!
雪の中の温度は0℃と外の温度より暖かくなっています。さらに湿度もあるため、野菜の保存には適した環境になっています。
②野菜に変化?
野菜は凍らないようにするため、寒さが強くなるにつれて体内に糖分を蓄えます。糖分が増えることにより、水分の割合が減り凍りにくくなります。また、糖分が増えるおかげで野菜を食べた時の甘みも増します。
野菜と冬を越える
越冬野菜は冬が旬の野菜がほとんどで、味がよくなるだけでなく、ビタミンなどの栄養素も豊富になっています。特にどの野菜にも多く含まれているのが「ビタミンC」です。ビタミンCには、風邪に対する抵抗力を高める効果があり、寒さが厳しい北海道で元気に暮らすために必要な栄養素となってきます。
越冬野菜に多く含まれるビタミンCですが、実はただ野菜を茹でるだけだと多くが失われてしまいます。ビタミンCは水溶性ビタミンとも呼ばれており、字のとおり水に溶けてしまいます。ただ茹でるだけだと、茹でた水にビタミンCが溶けてしまい、野菜に含まれる分は少なくなってしまいます。そこで茹でた汁も楽しめる「鍋」や「シチュー」などといった料理がオススメになります。寒くなったら「鍋」、冬になったら「鍋」というのもあながち間違いではなく、効率よく栄養素を取るうえではとても良い料理になっています。
この冬は野菜たっぷりの鍋料理で、寒さに負けず過ごしましょう。

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お話 北見地区栄養士会 兼平 大地 氏

  2024/12/27   M I
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