新学期、新生活で慣れない環境だったという方も、5月に入り、ようやくひと息つける頃でしょうか。毎日何気なく過ごしているつもりでも、緊張や心配から来る胃腸の不調や頭痛、何となく朝起きるのがつらかったりすることはありませんか?心と体はつながっているので、日頃から心の調子を良くしておくことが大切です。今回は、食事と心の関係に注目してリラックスできるポイントをいくつか紹介します。
◆「しあわせホルモン」のもとになる食べ物を摂取する
セロトニンは脳内で働く神経伝達物質の一つで、別名「しあわせホルモン」と呼ばれ、気持ちを安定させたり、ストレスを緩和させる作用があります。 この物質の材料となるのは、必須アミノ酸の一つである「トリプトファン」です。これは体内ではつくることができないため、食品から摂取する必要があります。豆腐・納豆・味噌などの大豆製品、チーズ・牛乳・ヨーグルトなどの乳製品、かつお節、まぐろなどの赤身魚、ごま、ピーナッツ、バナナなどに含まれています。日光を浴びることと、適度な運動を行うことでより活性化されます。
◆温かいものを飲む
温かいものを飲むと、リラックスモードの副交感神経が優位になり、気持ちが落ち着きます。また、胃腸の働きを穏やかにしてくれるので、食べすぎや飲みすぎで胃腸がお疲れ気味のときは積極的に温かい飲み物を飲むようにしましょう。熱すぎるとむしろ交感神経を優位にしてしまい、刺激になるので注意しましょう。 おすすめの飲み物は、白湯、ホットミルク、ココア、昆布茶、味噌汁です。牛乳は、先述した「トリプトファン」が含まれていて、入眠にも効果的です。ココアに含まれる「テオブロミン」という成分には、血管を広げて血流を良くし、体を温める効果があります。高カカオのチョコレートにも多く含まれているので、ひと息つきたいときにおすすめです。味噌にも「トリプトファン」が含まれ、昆布などのだしのうま味は心を落ち着かせてくれます。味噌汁には野菜をたっぷり入れて、不足した栄養素を補いましょう。牛乳を少し入れるとまろやかな味わいになり、栄養素もプラスできるのでぜひ一度お試しください。 体が疲れたと感じた時は、レモンや梅、お酢のドリンクなど、酸っぱい飲み物もおすすめです。 食事内容だけでなく、食事のシーンも大切です。一人で普段食事をとることが多い方は、思い切って家族や友人を誘って誰かとご飯を食べに行きましょう!会話や笑顔が生まれると、リラックス効果で消化が良くなります。外の気温が暖かい日には、外のテラス席や芝生の上でお弁当を食べるというのも、いつもと違った変化が生まれてリフレッシュできるかもしれません。食事やおやつの時間を大事にして、ホッと心をゆるめてみませんか。
■お話 北見地区栄養士会 佐藤 佳澄 氏