健康・福祉コラム

認知症予防について

 今回は認知症予防についてのお話です。みなさんはMCIという言葉を聞いたことがありますか?MCIはMildCognitiveImpairmentの略で、軽度認知障害という意味です。認知症は「一人暮らしが困難なほど認知機能が低下した状態」という定義がありますが、MCIは記憶力に軽度の低下がみられている、認知機能のレベルが年相応よりも低下してきているが、日常生活は正常に送ることができる状態を指します。MCIは認知症と完全に診断される一歩手前の状態ですが、必ず認知症になるわけではなく、適切な予防をすることで、認知症への進行を遅らせたり、健常な状態に回復させる可能性があります。
認知症予防とは、発症をゼロにしたり、進行を止めるためのものではなく、病気の進行を遅くするものです。そのためには、適度な運動、健康的な食生活、趣味やレクリエーション、人とコミュニケーションをとることなどが効果があると色々な研究で示されています。また、高血糖や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病は認知症の大きなリスクとなるため、年に1度は健康診断を受診し自分の健康状態を確認することも大切です。
とはいえ、なかなか1人で健康に気を付けて、運動や活動を続けるのも大変ですよね。無理なく運動や規則正しい生活を続けられるように、北見市でも介護予防のための講座を行っています。例えば、運動機能や認知機能の低下がある方を対象として3か月間のコースで行う「はつらつ元気教室」、低下しがちな脳の認知機能をファイブ・コグテストでチェックする「脳げんきチェック講座」、家でも負担なく続けられる体操を行う「元気アップ講座」などがあります。他にも歩行機能・認知機能改善のためのふまねっと教室も、ひとりひとりの運動機能やペースに合わせて行えるのでお勧めです。
また、高齢者クラブや地域サロンでも、生きがい・健康づくりなどを積極的に行い、定期的な運動や社会参加がなされています。北見市内には高齢者クラブが70ほどあり、約2600人の方々が活動されているので、お住いの近くのクラブに参加するのはいかがでしょうか。
できるだけ住み慣れた場所で、自分らしく生活し続けたいというのは、きっとみなさんも共通した願いであることと思います。認知症になっても安心して生活できるよう、地域のつながりを強くし、不安なことや困ったことがあれば地域の高齢者相談支援センターか北見市役所の介護福祉課までご相談ください。

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■お話 北見市役所介護福祉課介護予防係 保健師 安藤 侑子 氏

  2023/09/26   M I
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