予防医学コラム

古代のエナジードリンク、コカ・コーラ②

コカ・コーラのコカはコカインのコカ、じゃない!?本題のコカ・コーラですが、1880年代、米国南部の薬剤師ジョン・ペンバートン氏が、赤ワインにコカの抽出物とカフェインを加えた「フレンチ・ワイン・コカ」を考案します。当時の元気ドリンクですね。今で言うウォッカのレッドブル割りみたいなものです(これはこれでカフェインの過剰摂取を招き危険ですから飲み過ぎ注意)。で、禁酒法が制定されて、このアルコール元気ドリンクが飲めなくなったので、ノンアルコール元気ドリンクを開発しようということで、コカ・コーラを完成させたのです。
初期のコカ・コーラには微量のコカインが含まれていたことが記録に残っているようですが、その後完全に除去されました。ちなみにコカ・コーラのレシピは厳重に保管されており、世界でも数人しか知らないと言われておりますが、誰がレシピを知っているのか、何人が知っているのかすら公開されていない謎の飲み物となっています。こうした歴史を鑑みると、コカ・コーラのコカはどう考えてもコカイン、コカノキのコカじゃないかと思うわけですが、公式はこれを否定しています!!
公式がそう言うなら、コカ・コーラの命名とコカインは関係ないのでしょう(棒読み)。医学界においては、コカインをもとにリドカインが生成され、様々な局所麻酔に使用されてきたことから、◯◯カインのカインはコカイン由来ということは明白です。「キシロカインの名前とコカインは一切関係ありません」などと言ったらバカにされるだけだと思うのですが、 ザ コカ・コーラ カンパニーは強気です。まぁもちろん、現在コカインが入っているなどということはあり得ませんので、クリーンなイメージを大切にするという企業の方向性にとやかく言うことはありません。コーラで片頭痛を和らげられると面白いなと思いますが、痛みを和らげると、かえってコカインに近づいてしまうのではないかといらない心配をしています。
長年ご愛読いただきましたが、わたくしの回はこれで終わらせていただきます。
大変ありがとうございました。

原口先生コラム

原口先生(薬剤師)のコラム   2025/10/25   gracom
≪ 医学の歴史(その2)  |  屈折(正視・近視・遠視・乱視)について ≫