日本の宗教のいろは

仏教の伝来について

日本に仏教が伝わったのは、『日本書記』によると五百五十二年とあります。しかし、それよりも早く五百三十八年に朝鮮・百済(くだら)の聖明王(しょうめいおう)の使者が経典や仏像を欽明(きんめい)天皇に献上したという説が有力です。 しかし、中国や朝鮮とはそれ以前にも古くから交易があったので、民間ではそれ以前に伝わっていたようであります。そしてもともと仏教には宗派はなかったのですが、教義や儀式・行事などの違いから宗派が誕生しました。 宗派の「宗」は、教団の思想的な分類、「派」はその宗内での分派のことを意味します。 その宗派をもとに現在までの歴史をたどると、奈良時代に中国から南部六宗といわれる六宗が伝えられ、法相(ほうそう)・華厳(けごん)・律(りつ)宗が現在も残っています。平安時代には日本仏教のどだいとなる天台宗・真言宗が誕生。鎌倉時代に入って、融通念仏宗・浄土宗・浄土真宗・時宗が誕生、臨済宗・曹洞宗・日蓮宗もこの時代に誕生しました。その後、江戸時代の黄檗(おうばく)宗が仏教での最後の新宗となりました。 現在でもご紹介した十三宗にほぼ集約されています。 また現在、北見市にある宗派で北見市仏教会に所属しているところは、七つの宗派があり、曹洞宗・日蓮宗・真言宗・智山宗・真宗興正派・真宗大谷派・浄土真宗本願寺派の各寺十八ヶ寺あります。 現在、この仏教を身近に感じるのはお葬式の時ぐらいではないでしょうか?難しくて近寄りがたいと思っている人が多いのでは? しかし、仏教は遠い存在ではなく、生きている私たちが幸せになるための教えであり、「仏の自覚を持って生きる教え」とも言えます。難しく構えないで、自然体で接してみると、今の自分の新たな発見ができるかもしれませんね。
グラコム2004年5月号掲載

  2004/05/01   M I
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