健康・福祉コラム

かいごのいま

 暑い日が続き、心も体も疲弊しているのではないかと暑中お見舞い申し上げます。
最近よく介護の現場で耳にすることは嫌なことばかりで、耳を塞いでしまいたいようなことばかりです。追い打ちをかけるように、介護に携わる職員の募集をさせて頂いても思いのほか反応もなく、慢性的に人手不足が続いている現状もあります。どの職業でも慢性的に人材が不足しているとはお聞きしますが、特に超高齢社会を迎えようとする今、介護を業とする方の不足が顕著にあるのかと感じてしまうこの頃です。
介護の仕事は人とのコミュニケーションを重視する仕事であるからこそ楽しさがあり、とても魅力的な仕事でもありますが、それだけではない厳しさや辛さがあることは否定できません。そんな仕事だからこそ人間関係やそこで働く人たちの仲間意識、チームワークがとても大切であり、仕事を続けるうえでも、また辞めてしまうことに繋がる大きな要因なのではないかと思います。
昭和の話で昔々は良かったというわけではありませんが、私自身この介護の仕事を続けるうえでいつ何時、挫折しかかった時に支えられ、励まされ、指摘しあえる存在がいたこと、いることを常に感じます。 そんな仲間がいる、助けてくれと言える仲間がいることが、今でもこの介護という仕事を続けていられる理由の一つなのではないかと思っています。どんな職業でも人間関係は離職してしまう大きな要因の一つでありますが、違う視点から角度を変えてみてみると、また違った世界観があるのかもしれないと思います。
介護保険は制定されてから9期を迎え、もうすぐ30年を迎えようとしています。介護保険料も高く、介護サービスも形を変えて現在に至っておりますが、より地域に根差したものになる様変化しているものと感じております。予防対策、認知症対策など様々な取り組みを行っていることも確かですが、なかなか実感がわかないことも確かです。そんな時身近に相談できる窓口など知っておくことも、予防することの一つと考えます。災害と同じように、常に意識し備蓄することを知っておくことの必要性を感じます。災害はおきてほしくはありませんが、いざ災害が起きた時、食料や飲み物など、皆様がお住いの近くにある社会福祉施設には万が一のことに備えて数日分の備蓄があること、福祉避難所としての役割もあることなどほんの些細なことも知っておくことは、「予防する」ことではないかと思います。
気候の変化、群発する地震など不安なことも多い今日この頃ですが、お盆という時期に帰省をされたご家族とともに、こんな時だからこそもう一度家族で、これからのこと、介護のことなど話し合ったり、共有できることのきっかけとなる機会を是非作って頂ければと思っています。

お話 社会福祉法人 治恵会 法人担当 小泉 昭江 氏

健康コラム2508

  2025/07/23   gracom
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