訪問診療コラム

「看護師不足について」

 以前からこの地域では、医師が不足しているという内容のコラムを書いてきましたが、特にこのオホーツク圏では、看護師不足も深刻な状況になってきました。看護師は入院病棟や外来診療、健診、在宅医療、高齢者施設などで絶対になくてはならない存在です。基本的には医師の指示の下、採血や注射、点滴、処置などの様々な医療行為を行ってくれ、身長や体重、血圧、体温、心拍数、呼吸状態の数値、心電図などの測定も行い、常に患者さんの状態を把握してくれます。また何よりも重要なのが、病気で不安になっている患者さんに寄り添ってくれる存在だということです。看護師がいないと医療は成り立ちません。そんな重要な職種が慢性的に不足しているばかりか、今後更になり手不足問題が深刻化してきます。北見医師会看護学校においても、ここ数年入学者数が定員を満たさず、この地域で将来働いてくれる看護師の育成も十分できない状況となっています。恐らく看護師のなり手不足の背景には、少子化や学費の問題、新型コロナによる影響などがあると考えられます。少子化は政治的に十分な対策を行ったとしても、すぐには解決できない問題です。そして看護師は、医療用ロボットやAIでは代用不可能な業種です。そのため少子化対策は、看護師不足を解消するための喫緊の課題の一つといえます。また以前は働きながら看護学校に通うということができていましたが、現在の教育カリキュラムではそれは難しいため、奨学金制度の更なる拡充などが必要と思われます。この地域でも各市や町で医療従事者になるための奨学金制度はありますが、結局はいつか返さなければならない奨学金制度であるため、将来医療従事者になってその市や町で何年か働いてくれたらその奨学金は返済しなくてもいい、などの思い切った奨学金制度の創設がこの地域の医療体制の維持には必要です。さらには以前報道などで、看護師が苦痛を伴う装備をしながら、顔に傷などをつくりながらも新型コロナ入院患者の看護を懸命に行っている映像が幾度も流れました。それ以降、看護師は体力的にも精神的にも大変辛い職業という認識を持たれたかもしれません。しかしあの時は、今まで経験したことがない一時的な緊急事態であり災害でした。現在は新型コロナも弱毒化し、感染しても重症化する可能性はかなり低くなっており、看護も以前より危険度は減少しています。
看護師は、医師と共に患者さんを支えながら治療する非常にやりがいのある職業だと思います。もし看護師を目指して頂ける方がいたら、ぜひ一緒にこの地域の医療を支えていきましょう!

■お話…医療法人社団 邦栄会 本間内科医院 理事長 本間 栄志 氏

  2024/04/22   M I
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