令和6年10月1日より、北見市休日夜間急病センターが運用開始となりました。このことにより、これまで休日や年末年始などに北見市内の医療機関が輪番制で行ってきた一次救急医療がそのセンターに集約し、市民の方々からもわかりやすくなったと思われます。これを機に、北見の救急医療について市民の方々と改めて考えてみたいと思い、今回と次回のコラムを書きたいと思います。ただし次の考えは、北見市で育ち北見で働いている医者の一人である本間の個人的な見解ですので、賛否両論はあると思いますのでよろしくお願いいたします。
救急医療は一般的に、一次と二次、三次に分類されます。一次救急は急性発症の比較的軽症の疾患に対しての救急医療です。これに対して二次救急は、手術や入院での対応が必要な中等度の疾患に対しての救急医療となります。また三次救急は、外傷や疾患などで最重症な状態の患者さんに対し、至急高度な緊急手術や救命処置などを行う必要がある救急医療です。それぞれを具体例で説明すると、休日や夜間急に咳と熱が出て、解熱剤などもなくやや息苦しさも感じるため、休日夜間急病センターに電話をしてから自家用車で受診するというものが一次救急。突然激しい腹痛と嘔吐が出現し、とても自分で運転して病院に受診できるような状況ではないため救急車を要請し、手術ができるような病院に搬送され、検査の結果腸閉塞であったため緊急手術になったというのが二次救急。突然の胸痛の訴えの後に意識を失い心肺停止状態となったとか、交通事故で心肺停止状態となったとか、火事で全身に重度のやけどを負っているなどの速やかに高度な医療が必要と判断され救急搬送されたというのが三次救急となります。北見では休日や夜間の一次救急は休日夜間急病センター、二次救急は入院設備を持ちその疾患に対し精密検査や治療の対応可能な病院、三次救急は北見赤十字病院+道立北見病院で行っています。しかしこの地域は、以前から医師や看護師が少ない地域であること、最近始まった国の施策である医師の働き方改革などの影響で、それぞれの救急医療が北見市外の医師にも手伝ってもらいながら、何とかギリギリの状態で行われているという状況です。この地域の救急医療を安定して運用するためには、このギリギリの状態で行われているそれぞれの救急医療を、できればもう少し余裕を持つくらいの体制に立て直す必要があります。北見市で働く医師を増やせれば一番早いのですが、残念ながら以前からずっと各関係機関がそれを試みましたが無理でした。そのためそれ以外の方法となると、市民の方々の協力が必要不可欠と思われます。市民の方々に協力して頂きたいことは次の2つです。(次回に続く)
■お話…医療法人社団 邦栄会 本間内科医院 理事長 本間 栄志 氏