これまで新型コロナ感染症のことをしばらくコラムに書いてきましたので、少し気分をかえて違う話題のコラムにしてみようと思います。ちなみに新型コロナは、北見市内では8月上旬1週間に新規感染者が300人くらいで、高止まりの流行状況です。
さて医療においては、患者さんから依頼があった際に、他の医療機関や様々な職種の方と色々な書類を作成して連携をとっています。他の医師や歯科医師、薬剤師、ケアマネージャーとは主に情報提供書、訪問看護師には訪問看護指示書、理学療法士には訪問リハビリ医師指示書、役所には医師意見書などです。具体的にいうと、他の医師や歯科医師には、その医療機関での診療に必要な患者さんの医療情報を提供します。また薬剤師には、患者さんの自宅や施設に薬剤師が訪問して、服薬指導や服薬管理、残薬の回収・再一包化などを行う訪問薬剤指導というサービスを医師から依頼する際に、情報提供書を作成します。ケアマネージャーには、福祉用具のレンタルや訪問看護導入の際など、必要時に情報提供書を作成します。さらに訪問看護師には、訪問看護を希望される患者さんの医療情報や、依頼したい看護内容などを記載した訪問看護指示書を作成します。同様に理学療法士には、訪問リハビリテーションを希望される患者さんの医療情報や、依頼したいリハビリ内容などを記載した訪問リハビリ医師指示書を作成します。また役所には、患者さんが介護保険を新規申請・更新申請をする際に、医師意見書という医療情報や介護内容の記載した書類の作成を行います。ケアマネージャーの調査とその医師意見書を基に、役所で介護認定審査会という会議が開かれ、それぞれの患者さんの介護度が決定されます。このように医療現場では、たくさんの様々な文書が毎日のように作成されています。しかしそれぞれの文書の内容は、その文書の依頼先でしか見ることができません。もしこのように作成されている様々な文書が、患者さんの同意を得た上で、これらの職種の方々が必要時に閲覧できるようになれば、患者さんに提供する各種医療サービスや介護サービスに活かされるように思われます。実際このような各職種間での情報共有というものが、ある自治体では行われるようになってきています。次回のコラムでは、実際当院のクラウドで行っている、訪問診療を行っている患者さんの多職種間での情報共有についてお伝えしたいと思います。
■お話…医療法人社団 邦栄会 本間内科医院 理事長 本間 栄志 氏