訪問診療コラム

「現在の新型コロナ感染症の症状と経過について」

 これまでのコラムで、北見市での新型コロナ感染症の流行状況や、抗原検査キットの正しい使い方などについてお伝えしてきましたが、先日初めて私が新型コロナに感染しました。そのため今回のコラムでは、どのような症状であったか、抗原検査がどの時点で陽性になったかなどについて、実体験を基に報告します。
私はこれまで4回の新型コロナワクチンを接種していました。ある日、普段通り夕方まで仕事をして自宅に帰ると、いつもより全身がだるくて少し関節痛や寒気がするような症状がありました。前日仕事が忙しくて疲れて風邪をひいたかな?と思い、一応熱を測ると37度でした。少しそのまま休んで風呂に入ると、急に寒気が悪化し、風呂を上がろうとすると寒くて上れない程になりました。もう一度熱を測ってみると38度になっていました。(私が38度に発熱したのは、今から17~18年前にインフルエンザに感染した時以来でした。)これは普通の風邪ではなく新型コロナか、喉も少し痛くなってきたため、今北見市で流行っているヘルパンギーナではないかと考えました。発熱してすぐに自分で持っていた抗原キットで検査をしましたが陰性。その3時間後くらいにもう一度検査してみましたがまた陰性。とりあえず解熱剤を内服し寝ました。次の朝、発熱してから約9時間後にもう一度抗原検査をすると陽性となりました。症状を発症した翌日は、全身の痛みと発熱、咽頭痛、倦怠感が1日中続き、2~3回解熱鎮痛剤を内服しました。感染2日目には発熱と倦怠感は改善し、軽い咽頭痛と咳、下痢、胃のむかつきがあり、夜になると結構咳がでました。また味覚障害が出現し、唾液が苦く感じたり、牛乳を飲んでも何を飲んでいるかわからない時もありました。感染3日目には徐々に症状が改善し、感染4日目にはようやく少し動く元気が出てきて、自宅の庭に出られるようになりました。感染5日目にはほぼ症状がなくなり、調子もいつもの80%くらいになったため、感染力のチェックのためまた自分の抗原キットで検査したところ、まあまあくっきり陽性のため、まだ感染力があると判断。感染7日目の朝に再度抗原検査をしたところ陰性となり、通常の仕事復帰となりました。味覚障害も徐々に改善傾向です。
今回の私の感染体験からは、恐らくワクチンをこれまで4回していたので、症状が軽く済んだのではないかと思いました。ワクチンを1度もしていない感染者の人で、7~10日間39度くらいの発熱が連日続いたという方もおりました。また発症後6~7日間くらいは、抗原検査の結果から、他の人に感染させる可能性があるように思われました。また自分でも予想以上に症状が辛かったため、これが高齢者の方に感染すると、脱水や食欲不振になる可能性が高いと感じました。

■お話…医療法人社団 邦栄会 本間内科医院 理事長 本間 栄志 氏

  2023/07/27   M I
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