訪問診療コラム

「北見市の医療事情④ ~医療崩壊について~」

 このコラムを書いている12月10日現在、北見市では、10月下旬位から続く新型コロナ感染者の高止まりが続いています。またオホーツク圏の高齢者施設や障害者施設、入院病床を持つ病院では、毎日のようにクラスターが発生しています。そのため北見市でもすでに通常診療に支障が出ています。具体的には、緊急手術以外の手術の延期や、救急車の受け入れ先の病院がなかなか見つからず搬送までに時間がかかっていることなどです。平常時の医療ができない状態を医療崩壊というなら、すでに北見市は医療崩壊の状況です。また最近ではインフルエンザ感染者も出てきており、高止まりしている新型コロナ感染者にインフルエンザ感染者の増加が加わると、発熱者に対応する発熱外来の体制も崩壊します。発熱外来の体制が崩壊すると、発熱している方が受診できる診療所や病院が患者さんで溢れ、さらに診療所での通常診療もできなくなります。さらに年末年始になると多くの医療機関が休みになりますので、北見市からも周知されているように、より一層感染対策の徹底や発熱した時の対処法に関して対策をお願いします。  前回のコラムでもお伝えした通り、市内の発熱外来は現在もギリギリの状態でやっています。そのため今一度、以下のことについてご協力をお願いします。
●特に年末年始、発熱外来を受診される際には必ず電話で予約をしてください。
発熱している方が連絡なしに、多くの基礎疾患を持つ高齢の患者さんが待っている院内に直接入られたり、どこも予約が取れないので検査をしてほしいと直接来られて、発熱外来を中断してしまうことが多々あります。年末年始は特に患者さんが増加しますので、必ず電話で予約をしてください!
●発熱外来の掛け持ち予約はやめてください。
一度検査の予約をされた方で、他でもう少し早い時間で予約ができたのでキャンセルするという連絡があり、キャンセルされることが多々あります。一人でも多くの方の検査をしなければという気持ちでやっており、キャンセルされてしまうと、他の方に予約が一杯だとお断りしている以上、そこに新たに検査する方の予約は取れません。そのため他の発熱外来との掛け持ち予約はやめてください!
●発熱外来は時間がかかります。
現在北見市ではインフルエンザも出てきているため、検査にさらに時間がかかっています。また発熱外来の会計は公費分と自己負担分が混在しているため、会計が複雑で時間がかかります。そのため早くしてほしいと何度も言われますが、こちらは一般外来もしながら最大限会計を早くしようと努力していますので、ご協力お願いします!

■お話…本間 栄志 氏 医療法人社団 邦栄会 本間内科医院 理事長

  2022/12/27   M I
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