このコラムを書いている11月10日現在、北見市では、これまで最も多かった今年の8月の新型コロナ感染者数をはるかに上回る感染者が、毎日のように市内の発熱外来を受診されています。全国的に第8波と言われていますが、このオホーツク地域は、全国や北海道の他の地域と比べても、最も早くその第8波に入った地域だと思います。また北見市内の病院や高齢者施設、障害者施設でも多くのクラスターが発生し、重症化しやすい方々の感染も収まらず、新型コロナ感染者を受け入れる入院医療機関ももう限界に近い状態です。これ以上増加すると、救急車の受け入れや通常入院治療に支障をきたすこととなります。 さてこのような状況ですが、今回のコラムでは、市内の発熱外来について説明したいと思います。北見市で初めて新型コロナ感染者が発生した2020年2月、北見市の関係各所で話し合った結果、3か所の医療機関で発熱外来を始めました。そのうちの一つが当院です。その当時は発熱外来をやっているという風評被害もありましたが、その後、逆に発熱していても診てくれるという評価も頂けるようになりました。その後感染者数の増加に伴い、現在では、市内の多くの内科系・小児科系で新型コロナの検査を実施しております。しかし感染者が急増している現在、検査を行っている各医療機関は、一般診療を行いながら精一杯やっていますが、予約枠が一杯になると断らなければならない状況にあります。このような中、発熱外来では次のような悩みを抱えていて、発熱外来を受診される市民の皆さんにご理解ご協力をお願いしたいと思います。
・発熱外来を受診される際には、必ず電話で予約をしてください。
現在ギリギリの状況で多くの検査を行っています。その中で発熱している方が連絡なしに直接院内に入られたり、どこも予約が取れないので検査をしてほしいと直接来られて、発熱外来を中断してしまうことが多々あります。
・発熱外来は無料ではありません。
国は、新型コロナ診療は無料と言っていますが、全て無料ではありません。発熱などの症状がある方は、結果が陽性でも陰性でも検査料などは公費で無料となりますが、初診時に陽性となったとしても、現行では初診料や院内トリアージ実施料などは公費適応にならずお金がかかります。当院の場合、3割負担の方で3,000円~4,000円は自己負担額となります。
・検査の種類は医療機関にお任せください。
現在当院では、一人でも多くの方に検査を実施したいと考え、抗原検査とPCRに近い検査を併用して行っています。それぞれ陽性となりやすい人となりにくい人があり、こちらで判断して行っておりますので、会社からPCRと指定されているのでPCRをしてほしい、というような希望は、この状況下では極力控えて頂きたいです。
・検査は痛いですし、鼻血も出ます。
抗原検査とPCRに近い検査は、どちらも鼻腔~鼻咽頭から十分な量の検体をとらないと正確な検査はできません。そのため綿棒を鼻腔から入れて、「痛い!」、「鼻血がでた!」とよくお叱りを受けます。しかし正確な検査を行うためですので、ご容赦ください。
■お話…本間 栄志 氏 医療法人社団 邦栄会 本間内科医院 理事長