介護医療コラム

北見市の医療事情② ~少ない総合病院について~

 前回のコラムで、北見市内に人口の割に診療所が少ないという話をさせて頂きましたが、北見市には大きい病院も少ないです。北見市くらいの人口規模であれば、他の北海道の市で考えると、大きい総合病院は2~3はあります。北見市には歴史的に市立病院がありません。それが北見市にほとんどの病気に対応できる大きい総合病院が、北見赤十字病院1つしかない原因と思われます。しかし市立病院をこれからつくるというのは、莫大な費用がかかること、地方の慢性的な医師不足の観点から考えると不可能です。そのため北見市においては、現状のギリギリの医療資源でこれからもやっていくしかありません。ではこのギリギリの医療体制を守っていくには、どうすれば良いのでしょう? その答えは、市民一人一人の適切な医療資源の利用ということしか解決策はありません。具体的にいうと、北見赤十字病院には、緊急手術が必要な患者さんや交通事故などで重症な患者さんなどを、常に速やかに受け入れてもらう必要があります。そのためには、日頃から北見赤十字病院に余裕をもって診療をしてもらうことが重要です。そのため市民の我々にできることは、明らかに軽い症状なのに不安で救急車を呼んでしまうこと、具合が悪かったのに日中医療機関に受診せずに夜間具合が悪くなり救急車を呼んでしまうこと、などの未然に防げる救急車の利用を減らすことです。また市内の診療所の一人の医師としては、北見赤十字病院とより緊密な連携を行い、同院で治療後に安定した患者さんの外来や訪問診療での治療の継続などを担当させて頂くことで、さらに北見赤十字病院に余力を持ってもらい、他の病院では対応できないような高度救急医療を引き続き担当して頂きたいと思います。  今年8月に新型コロナ感染症の患者さんが北見市で急増しました。その際北見赤十字病院は、多くの重症な新型コロナ患者さんの入院治療でかなり大変な状況となり、市内の他の医療機関でも新型コロナ患者さんの検査や治療などでかなり過酷な状況となりました。そのような状況であったため、北見市内で救急車の医療機関への受け入れ態勢が非常に困難となりました。その状況を市内の医師の1人として経験し、改めてこの地域の医療資源がギリギリの状況で何とか頑張っているということを実感しました。これから新型コロナやインフルエンザが寒くなってくるとまた流行してくると思いますが、この地域の医療崩壊を防ぐためにも、市民の皆さんの医療資源の適切な利用を今後ともご協力よろしくお願いいたします。

  2022/10/21   M I
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