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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。
アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.95

エキノコックスについて

 

9月に入りました。今年の夏は、北海道としては暑い夏だったと思います。
収穫の秋をこれから迎えますが、豊潤な季節を迎えられることを願います。
一方、アメリカが干ばつのためトウモロコシ生産が激減しているようで、年末以降の家畜の飼料高騰が心配です。 

今回はヒトにも感染するため、よく話に出てきます『エキノコックス』について書いてみます。
エキノコックス症とは、わが国では主に北海道のキタキツネなどに生息する、成虫で1~5mm程のとても小さな“多包条虫"という寄生虫を原因とする病気で、これまで道内のイヌや家畜への感染が報告され、道内では毎年10~20名程度のヒトへの感染例があるといわれています。

犬の感染状況調査が平成15年4月~16年2月に行われました。
道内の飼い犬1,139頭を検査したところ、3頭が感染してました。
また、平成15年9月~16年2月に道外へ移動した69頭の飼い犬について検査を実施したところ、2頭の飼い犬に感染の疑いがありました。
その後の報告でも数頭発生しています。
この管内では、網走と北見で1頭ずつ確認されています。

エキノコックスの感染経路について多少誤解をされている方がいらっしゃるようですので、埼玉県のHPの資料を参考に箇条書きにまとめてみました。
【1】エキノコックスは、キツネから犬、犬から犬に感染することはありません。
【2】エキノコックスの虫卵(糞便中)は、犬が食べても感染しません。
【3】犬やキツネは、エキノコックスが感染している野ネズミを食べて感染します。
【4】犬がエキノコックスに感染しても、通常は無症状です。
【5】犬が感染している野ネズミを食べると、エキノコックスは犬の腸管で約1ケ月で成虫となり、虫卵を排出し始めます。その後、1~4ケ月間は虫卵を排出し続けますが、約6ケ月で、成虫も自然に排出されます。従って、これ以降はその犬が再び感染した野ネズミを食べない限り、感染源となることはありません。

【6】ヒトは山菜や山水を介し、エキノコックスの虫卵を飲み込むと感染します。
【7】ヒトが感染すると大変ゆっくりと進行し、成人では発症するまでに10年ほどを要します。子供での進行は速く、数年程度で発症します。 
飼い犬が感染しないよう放し飼いは止め、野ネズミを食べないようにしなくていけません。
また、定期的に糞便検査、もしくは虫下しをしておいた方が家族の健康のためにはいいでしょう。
詳しいことは動物病院にお尋ねください。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2012年9月号掲載

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