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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。
アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.94

猫ちゃん。尿ちゃんと出てますか?

〜慢性腎不全について〜

8月に入りました。短い夏を大いに楽しんでいますか。
夏休み、お盆休みなどでペットたちを連れて出かけることが多いと思いますが、休憩・水分補給・体温調整などに気をつけて出かけて下さい。
ペットホテルに預ける場合も、預け先に注意事項をしっかり聞いておくと良いでしょう。

さて、今回は猫の腎臓病について書こうと思います。
犬や猫も寿命が長くなり、15歳を超えることが珍しくなくなってきています。
そんななかで、猫で最もよく経験するのは慢性腎臓病です。
腎臓の役割は「尿を作る」ことです。
水やイオンの量や濃度を調整し、体から作られた老廃物を排泄します。
また、腎臓には血液中の栄養素を体外に排出しない機能や、造血ホルモンを作る機能もあります。
これらの機能が低下することを腎不全と言います。腎不全は原因により急性と慢性に分けられます。

急性腎不全の場合は、急激な症状進行が特徴です。
嘔吐、元気や食欲の低下、下痢を伴うこともあります。
尿は少なくなるか、全くでなくなる事もあります。
集中治療で治癒する場合もあります。
一方、腎不全状態が3ケ月以上続く状態を慢性腎不全と言います。
症状はゆっくりと進行します。
初めに現れる症状は多飲多尿です。
たくさん水を飲んでたくさんの尿をします。
毛のつやが悪く、尿にタンパク質など栄養分も出て行きますので痩せてきます。
徐々に食欲低下が進み元気がなくなり、造血ホルモンも減ってきますので貧血になります。
嘔吐を繰り返し、下痢をすることもあります。
尿毒症を起こすと口臭が強くなり、口腔に潰瘍ができることがあります。

腎臓病が疑われたら、いろいろな検査を行いますが、血液検査で異常が出てきた場合は既に腎臓の7割が機能しなくなっていると言われています。
機能しなくなった腎臓は治りません。
残っている機能を温存する治療になってしまいます。
こうならないためにも早期発見が大切になります。
高齢になった猫は元気そうでも定期的な検診、特に尿検査、血液検査をお奨めします。

そして、定期的に体重測定もしてあげて下さい。
以前にも書きましたが、体重はいろいろなことを反映していますので是非ともお家で測ってメモをしておいてください。
また、正しい食事管理も治療の柱となります。
いつも通っている病院へ、おしっこを持って行ってみて下さい。
できるだけ新鮮なものをね!
きっといろいろ教えてくれますよ。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2012年8月号掲載

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