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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。
アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.92

ペットたち最近痩せてきてませんか?

 

6月に入りました。初夏を迎え、外での運動が楽しみな季節となりましたね。
草むら近くや山に出かけるときには、マダニの予防をしてから出かけましょう。
今回は痩せること(削痩)について書きます。
動物は「必要な食事を、バランスよくきちんと食べない場合」と「きちんと食べても、栄養分を体内にうまく吸収・利用できない場合」に痩せてきます。

ふだんからペットたちの体重を定期的に測っていただくのが理想ですが、頭をなぜて額の横の筋肉が落ちたり、肋骨を触ってゴツゴツと浮いてきたりしますので削痩してくればわかると思います。

痩せる原因は様々です。
「食事を食べていない場合」は様々なストレスや腰痛・口内炎などの痛みにより食べる事自体が難しい状況が考えられます。
手作り食をあげている場合には、量は十分でもカロリー不足やバランスが悪かったり消化性に問題があったりする事があり、せっかく食べていても栄養状態が悪化する場合もあります。

「食べているのに痩せてしまう場合」は何らかの病気になっている場合が考えられます。
食べたものを吐き出してしまう病気(食道、胃、腸に異物・機能不全や腫瘍、膵臓、肝臓、腎臓などに炎症・変性や腫瘍など)、
食べたものをうまく消化・吸収できない病気(膵外分泌不全、胆嚢疾患、消化管内寄生虫、炎症性腸疾患など)、
消化・吸収したものをうまく代謝・利用できない疾患(肝不全、糖尿病、門脈体循環シャントなど)、栄養分を体外に排出しすぎる病気(腎不全、タンパク漏出性腸症など)、
炭水化物やタンパク質の代謝の変化により食べても栄養失調となる悪疫質(悪性腫瘍、白血病など)、心不全による悪液質、甲状腺機能亢進症なども「食べても痩せてしまう病気」になります。
なかには全く元気でしっかり食べていても著しい体重減少になる場合もありますが、何かが隠れていますので要注意です。

痩せている事に気づいて動物病院に来られる場合は、できるだけ多くの情報をメモして来てください。
いつから痩せているのに気づいたか?痩せる前の体型は?食事の内容・回数は?嘔吐・下痢の回数や色は?水の飲む量や尿の量は?
そして、できるだけ便・尿・嘔吐物は病院に持ってきて下さい。
これらはもの言わないペットの代わりに多くの事を語ってくれます。
できるだけ新鮮なものを持ってきていただけますと助かります。
人間界ではダイエットブームですが、過度なダイエットで健康を害さないでくださいよ。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2012年6月号掲載

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