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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。
アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.79

東日本大震災後の動物たち

 

5月に入り、新緑がまぶしい季節になりましたが、今年は違う気持ちで迎えています。3月11日からほぼ2ヶ月。その後の余震、原発事故もあり、まだまだ余談を許さない状況が続いています。被災地はもちろん、日本中、いや世界中でも経済的影響が出始めています。未曾有の災害といわれ、復興、復旧にむけて長期的な支援が求められていますが、自分達でできる事を引き続きやって行こうと思っています。

東日本大震災ではヒトだけでなく多くのペットたちも被災しました。ペットを家族の一員として暮らしている方が増えていますが、飼主様が亡くなったり避難していて取り残されたり、ペット自身が津波にのみこまれ、ペットと家族の絆が否応なく切られてしまいました。そんな中「奇跡の犬」と呼ばれた「バンちゃん」。沖に流された屋根の上から、3週間ぶりに救われました。飼い主と再会し、ちぎれんばかりに尻尾を振る姿が何度もテレビに映りましたが、その絆の太さに心動かされました。飼主さんは「これから普段の生活に戻ります。静かに見守って下さい」とコメントされていましたが、避難生活の中でバンちゃんが取り持つ会話や笑いが広がってくれればいいなと思っています。

4月15日付けの朝日新聞“天声人語”に、被災した家族に対する動物の力について記載がありました。すこし引用させていただきます。被災した動物たちの生死と人の生死と同列には語れませんが、ペットや家畜はともに生きた何人目かの家族であると思います。愛犬を助けに戻って濁流に消えた人、家畜の世話のために避難を拒む人がいました。やせこけ瓦礫の中をさまよう犬や牛馬の姿を見て、人を頼りにし一途に家族一番に思ってくれる動物たちに手を差し伸べたくなるのは自然の気持ちだろうと思います。そして動物たちにはその気持ちに応える力があります。家族を失った虚無感は埋められませんが、動物たちの存在は生きがいとなります。頼られることを支えに、再生への長旅に踏み出す方もおられると聞きます。「あなたは一人じゃない」といった励ましが、世界中から寄せられていますが、「その時あなたに寄り添うのは、一人ではなく一匹かもしれない。」と掲載されていました。

岩手、宮城、福島3県で保護された犬は震災発生1ヶ月の時点で150頭を超えています。各保健所や市町村、獣医師会、そして多くのボランティアの皆さんによって保護され、治療されています。飼主様が見つからない場合は引き取ってくれるボランティアも募集が始まっているようです。  喜んでいる眼と振っているしっぽの数がどんどん増えてほしいものです。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2011年5月号掲載

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