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ペット広場タイトル

グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。
アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.80

ヒトと動物との関係をもう一度考える

 

6月になり、東日本大震災から3ヶ月が経とうとしております。まだまだ避難生活が続いており、多くの方々が大変ご苦労されています。そんな中、飼主さんと離ればなれになったり、飼主さんが亡くなったりして保護された動物たちや避難所や仮設住宅で動物が飼えないために飼主さんと離れなければならない動物たちの救護活動が本格的に動き出しました。北海道でも5/19に札幌で東日本大震災動物救護支援シンポジウム(札幌)が開催され、活動報告や今後の取り組みが紹介され、多くの市民のみなさんに参加していただきました。オホーツク管内の動物病院でも動物救護支援の義援金を募り、東北3県の獣医師会や緊急災害時動物救援本部に送金しております。ご理解ご協力をいただける方はよろしくお願いします。

先日、獣医師会の講演会で戦時中の物資不足、食糧難の中で歴史書に載らない史実を聞く機会がありました。その中で非常にショックな話がありました。動物たちが戦備品として扱われた時代があった事を初めて知りました。毛皮にする事を目的に、飼われている犬猫を供出しなければ罰せられるというものです。この地域だけでも1,000頭近くが犠牲になったようです。とても悲しい事実です。戦後66年、ペットの時代を経て今では多くの皆さんが家族のように生活を共にする伴侶として動物たちを飼っています。改めて動物たちの持っている力って何だろうと考えさせられました。

血が通っている暖かい体(命)、眼と眼をあわせて聞いてくれたり、問いかけてくる愛くるしい姿、飼主さんのことが一番好きだということを体一杯で表現する姿、決して嘘をつかない相棒、それでいて飼主さんがいなければ生きていけないと頼ってくる手のかかる子。そして、家族同士や地域の人たちとの会話のきっかけにもなりうる実に不思議な存在です。暖かい空気に包まれた関係ですかね。

未曾有の被害をもたらした今回の震災。飼主さんといっしょに暮らせる事を待っている動物たち、親愛なる飼主さんを失ったり、やむを得ない理由で飼主さんと離れざるをえないために新しい飼主を求めている動物たち。このような動物たちを保護している救護センターが石巻、仙台、新宿などにできています。NPO、ボランティア、行政、獣医師会などが携わり、さまざまな活動を行っています。また、現地に行けなくても短期・長期的に飼ってくれるボランティア募集も登録がはじまるようです。11年前の有珠山噴火の際に動物救護センターに数日だけ行きましたが、実にさまざまな仕事があり、多くの人員が必要です。オホーツク地方は災害が少ない地域ですが、この地域でも災害時の動物救護について、多くの方々を交え検討する必要性を感じます。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2011年6月号掲載

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