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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。 アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.62

去勢・避妊手術

あなたとペットのクォリティ・オブ・ライフ(QOL)を支える大切な手術

8月になり、夏真っ盛り、短い夏をおおいに楽しみましょう。車で移動することも多くなると思いますが、こまめな水分補給を心がけて下さい。 そして短時間でも車の中にペットたちを閉じ込めるのは大変危険ですからやめて下さい。皆さん無事故で、健康に過ごして下さいね。

ここ数回、子犬を迎えての扱い方やしつけの仕方のさわりを書きました。今回は健康面で予防できることを書きます。 ワクチンの話は今までに何回か書いて来ていますので、去勢避妊手術について書きましょう。なぜ獣医師たちが去勢避妊手術をお勧めするのでしょうか? ひとつは、望まれない不幸な動物を増やさないため。日本では、毎年引き取り手のいない多くの犬猫が不幸にも天国に送られています。 自治体やボランティアの方々はできるだけその数を少なくしようと頑張っていますが、それでも全国で年間30万頭以上います。この事実を考えれば、軽い気持で動物を繁殖させることは出来ないと思います。 もうひとつの大きな目的は、動物自身の健康とQOLを向上させ、家族の一員として人間社会の中で長く幸せに暮らすためなのです。手術によって生殖器関係の病気が予防され、精神的にも安定します。

去勢手術は、全身麻酔の下で両側の精巣を摘出します。傷も小さく、多くの場合日帰りできます。 また、精巣が陰嚢内に入っていない場合(潜在精巣)は、正常と比べ8倍も腫瘍になる可能性が高いと言われていますが、これも去勢手術によって未然に防げます。生後6ケ月頃に手術を行えば、異性の動物や人間に対する性的行動(マウンティング)や、縄張りを維持するための行動(マーキング)は、ほとんどなくなると言われています。 また、動物同士の喧嘩や攻撃性も大幅に減らせることができ、生活を共にする家族の負担も減ります。

避妊手術も全身麻酔で行います。お腹を少し開け、両側の卵巣と子宮を摘出します。手術後、数日で通常の生活に戻れます。 生後6ケ月頃(はじめての発情時期)に手術を行うと、乳腺腫瘍の発生はほぼ防げます。3回以上の発情を迎えてからの手術は乳腺腫瘍の予防効果は極端に下がりますので、早めの手術をお勧めします。乳腺腫瘍以外にも子宮蓄膿症や卵巣腫瘍なども予防できます。 また、発情期特有の神経質な状態や鳴き声、発情に伴う出血などがなくなりますので、家族として生活する上で大きなメリットとなります。

繁殖ができない環境の下での性的衝動は、動物にとってもフラストレーションやストレスの原因です。去勢避妊手術によってこうした問題から解放され、人間とともに、家族として良い関係を築くことができる一助となることでしょう。 今回のコラムには関係ありませんが、久しぶりに北見でマラソン大会が行われると聞きました。関係者の皆様のご努力に敬意を表します。10/11(日)の北見マラソンを皆さんで盛り上げましょう。市民の皆様が元気でなければ、ペットたちも幸せになれません。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2009年8月号掲載

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