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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。 アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.59

お手! ペットと握手

何か変わったことありませんか

今年は暖かいようですが、桜はゴールデンウィークに間に合いましたかね。ほかにも一斉に花たちが咲き誇る季節になりましたね。 今回は足の先のことについて書こうと思います。日頃からペットと「お手!」とか握手をしていると思います。そのことでペットと飼主さんはコミュニケーションをはかっています。ペットたちは、何かご褒美をもらったり、優しい声をかけてもらうことが喜びなんです。

毎日のように行っている「お手」、「握手」の中に何か変わったことはありませんか?やるのを億劫がったり、痛がったりしてませんか。 また、「お手」などしていられないほど舐めたり、かじったりしていませんか。その変化に気付いてあげて下さい。 感染症による炎症、腫れ、痛みがもっとも多い変化です。細菌、糸状菌、酵母菌、ダニなどが感染します。免疫力が不十分な幼弱なペットや高齢のペットに感染することが多く、アレルギー体質のペットも感染しやすいです。 それぞれ原因にあわせた治療を行いますが、なかなか治らない場合もあります。

腫瘍が原因の場合も結構あります。イボのような良性のものから、悪性のものまであります。できやすい場所は爪の根元、指と指の間、関節の周囲ですから、足の先のほとんどになります。 悪性のものは扁平上皮癌、汗腺癌、悪性黒色腫、悪性神経鞘腫、血管周囲腫などがあります。

また、猫では足にできたできものが、肺腫瘍からの転移病変(肺-指症候群)の場合もありますので、注意が必要です。 診断は、まず針で刺して顕微鏡でみますが、その場で診断しきれる場合は少なく、病理専門家にみてもらいます。 それでも診断に至らない場合は、できものの一部または全部をとり、再度病理検査をします。見つけるのが早く、処置が早ければ、皮膚だけとか指1本だけ取って治る場合もあります。

しかし、すでに骨まで進んだり、転移しているものも少なくありません。広範囲な手術や抗癌剤を行いますが、多くは不幸な結果になります。 ですから「お手」「握手」の時に、少しでも変わったことがあったら、気に留めておいて下さい。そしてできるだけ早く獣医師に診せるといいでしょう。 「お手」は何かを求めてやってくれます。それに応えられるようにしてあげたいですね。そして、足先はいつもきれいにしておいてあげてください。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2009年5月号掲載

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